ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

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栄養コラム

栄養満点「鍋」2  ~世界の鍋~

No.25

2005年2月1日

管理栄養士 杉田 恭子

1月に引き続き今月も鍋を特集したいと思います。今月は世界の鍋です。最近では、様々な国の料理を楽しめるお店がたくさんできて、世界の鍋を楽しむ機会も増えてきたと思います。
それぞれの国の特色ある素材や調味料を用いた鍋を食べることで、その国へ行ったような気分を味わえるかもしれません・・・。
world


<中国>火鍋(フォクオ) china

「火鍋」とは、四川の重慶が発祥の地と言われているそうですが、今や中国全土に広がるポピュラーな鍋で、日本でいうしゃぶしゃぶのような鍋です。
鍋は通常の鍋(1種類の鍋を楽しむ鍋)の他に鴛鴦火鍋という半分に仕切られた鍋があり、2種類の味の鍋を楽しめるようになっているものもあります。鴛鴦火鍋では片方には辣湯と呼ばれる唐辛子ベースのスープや、麻辣湯(紅湯とも呼ばれているようです)という何十種類もの漢方と香辛料が入った、辛い滋養スープを、もう一方には辛味のない白湯(とんこつベースのスープ)や清湯(鶏がらベースのスープ)が入っています。
これらのスープにお肉や海鮮を入れて食べます。辣湯や麻辣湯は食べているうちに汗が出てくるほどの辛さですが、辛いものが苦手な人でもだんだんそれが病みつきになってくるようです。加えて漢方や香辛料のおかげで代謝がよくなったり、関節炎や胃の消化促進にも効くと言われています。
辛いスープとマイルドなスープの両方を味わいたい場合は、鴛鴦火鍋をオーダーしましょう。


<韓国1>チゲkoreas

日本でもすっかりおなじみになった「チゲ鍋」ですが、韓国語でチゲとは鍋の意味。よって日本で言うチゲ鍋は「鍋鍋」になってしまいます。
チゲの種類は豆腐チゲ、魚介チゲなど様々ですが、味付けのベースは「コチュジャン(唐辛子みそ)」「チョッカル(アミの塩辛)」と「味噌」の3種類が多いようです。また、チゲにつき物のキムチですが、キムチは熟成させたものを使うと、乳酸菌、ビタミンB1、B2、 B12が倍増していているのでよろしいでしょう。また唐辛子のカプサイシン効果で交感神経が刺激され代謝が盛んになり、エネルギー消費が高まります。


<韓国2>チョンゴルkoreas

チョンゴルとは「寄せ鍋」という意味で、牛肉や野菜を甘辛いタレで煮るもので、日本で
言う「すき焼き」のような鍋。
チゲが家庭料理であるのに対して、チョンゴルは宮廷料理として祝宴会、酒宴会などの時に出されていた料理です。
チョンゴルに使う鍋は平たい鍋で、これもやはり日本のすき焼き鍋にそっくりです。本場の韓国では犬肉を使ったチョンゴルも人気とのこと。


<イタリア>バーニャカウダitaly

バーニャカウダを翻訳すると「温かいソース」という意味になります。
北イタリアの郷土料理でオリーブオイルにアンチョビ、にんにくの香り豊かな温かいソースに、新鮮野菜をつけていただくイタリア版オイルフォンデュです。イタリアでは秋にその年の収穫を祝うイベントとしてバーニャカウダ祭が行われるそうです。
オリーブオイルにはコレステロールを減らす効果がありますし(2004年8月のコラム参照)日本人は野菜不足がちですので、おしゃれに野菜を食べる新しいメニューとして試してみてはいかがでしょうか。
パスタや野菜にバーニャカウダをかけて食べてもおいしく頂けます。


<フランス>ポトフfrance

ポトフは肉類や野菜類をじっくり煮込んで作る、フランスの代表的な家庭料理。フランス語で「ポ」は鍋で「フ」は火という意味でポトフとは、火にかけた鍋という意味。
ポトフでは大きく切った野菜(丸ごとの野菜も)を煮込むので素材のだしが非常によく出ていてスープもおいしく、たっぷりと野菜をとることができます。忙しい時でも手間をかけずにできる健康料理といえます。


<ロシア>ボルシチrussia

ボルシチとはかぶやにんじん、たまねぎなどの野菜と牛肉のかたまり肉をトマトベースのスープでコトコトと煮込んだ鍋料理です。野菜から出たエキスが牛肉にしみ込んでコクのある風味が味わえます。
また、トマトには様々な健康効果があります。トマトの赤い色は「リコピン」の色。このリコピンは生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働き、ガン予防の働きがあります。ヨーロッパのことわざでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」とも言われており、リコピンのほかにベーターカロテン、食物繊維、ビタミンC、カリウムなどが豊富に含まれている栄養素たっぷり食品です。


バーニャカウダを作ってみましょう!

ここまで様々な国の鍋をご紹介いてきましたが、今回はその中でもバーニャカウダの作り方をご紹介致します。バーニャカウダの作り方には様々な方法がありますが、今回は手軽に作れる方法でご紹介致します。

【材料】約4人分

・オリーブオイル  150mlf_cheesefondue
・アンチョビ    20~100g(お好みで)   
・にんにく        2片    
・牛乳         適量      
・バター         30g

【作り方】
① にんにくは半分に切り芯の部分をとる。
② 鍋に①を入れ、にんにくがひたるくらい牛乳を入れ、火にかける。
 (何回か茹でこぼすとさらに宜しいでしょう)
③ 竹串がすっと通る位の柔らかさになったら牛乳を捨てて、よく水気を切り
  みじん切りにする。
④ アンチョビはこまかく切っておく。(ほぐれればOK)
⑤ 鍋に③、④、オリーブオイルを入れて中火にかけ、木べらでよく潰す。
⑥ 軽く火を入れて香りがしてきたらバターを入れて溶かす。
⑦ よく混ぜ合わせたらできあがり。
 (より丁寧に、なめらかに仕上げるのであれば、混ぜ合わせた後、裏ごしたり、粗熱を
   とってからミキサーにかけるという方法もあります。)
⑧ にんじん、じゃがいも、セロリ、ブロッコリーなどお好みの野菜をスティック状に切り
  ⑦につけながら食べましょう。
  (じゃがいも、にんじん、ブロッコリーは予め火を通しておきましょう)
  パンなどをつけてもおいしく頂けます。また、パスタやサラダにかけるのも
  お勧めです。   


<もう1つのバーニャカウダ>
オリーブオイルの量を50mlに減らし、上記の作り方で①~⑤まで行い、⑥の時にバターと一緒に生クリーム100mlを加え、バターが溶け軽く煮詰まったらクリーミーなバーニャカウダの出来上がり。 

※ バーニャカウダは冷蔵庫で約1ヶ月保存ができます。
  分離しやすいので、使う際はよくかきまぜてから使うようにしましょう。
☆ちょっとおしゃれに楽しんでみましょう☆