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栄養コラム

味噌

No.162

2017年6月1日

管理栄養士 田原 佳奈

今回は和食の基本調味料の一つである味噌をご紹介します。味噌は発酵食品の一つで、味噌の発酵に使われる麹菌は日本独自のものであり、昔から身近に使用されてきました。発酵食品は健康に良いといろいろな食品がすすめられていますが、味噌は日本の伝統的な食文化の継承や発酵食品として是非取り入れていただきたい調味料です。


<味噌は発酵食品>

味噌は、主に大豆を原料として食塩と麹菌を加えて発酵・熟成させた発酵食品です。世界にヨーグルトやキムチなどの発酵食品がありますが、味噌や醤油、日本酒などの発酵で使用される麹菌は、日本の気候や湿度から生まれるカビの一種で、日本にしかない菌です。その菌の発酵によってつくられる味噌は、現在は調味料として使われることがほとんどですが、昔は「なめ味噌」として野菜や魚などと混ぜておかずの一つとして食べられていました。また良質なたんぱく質源や、保存性の高い食品としても重宝されていたようです。


<味噌の種類>

味噌は、多彩な種類があることが特徴です。まずは麹菌による違いで、米で繁殖させた米麹を使う「米味噌」、麦から作られる麦麹を使う「麦味噌」、大豆自体を豆麹として作る「豆味噌」があります。米味噌が一番広く食べられており、麦味噌は九州中心、豆味噌は愛知県やその近辺でよく食べられています。また、味によって甘口と辛口があり、甘口は比較的塩分が低く6%程度、辛口は塩分が12%程度のものが多いです。さらに色によっても赤、白、淡色などがあります。風土や気候などから生み出されているため普段よく食べる味噌は地域ごとに異なっており、それらの味噌を組み合わせることで新たな味も生み出せる調味料です。


<味噌の良さ> 

発酵することによって原料である大豆の良さをさらに高めた食品です。一汁一菜を食事としていた時代には、ご飯だけでは補えなかった栄養を補う食品でもありました。

【その1】体へ吸収されやすいアミノ酸、ブドウ糖
麹に含まれる消化酵素により、たんぱく質や糖質が体内で吸収されやすい状態のアミノ酸やブドウ糖まで分解されています。そのため、吸収時間が早く、より効率的に体内へ吸収されます。特にアミノ酸が不足すると体力が低下しやすくなるので、食事量が少ない方や疲れている方にもおすすめです。

【その2】整腸作用
腸内環境を整えるには、善玉菌を多くすることが必要です。麹菌には善玉菌の餌となるオリゴ糖や食物繊維が多く、善玉菌の繁殖を高め、腸を整えます。

【その3】旨みが豊富
発酵により生じるアミノ酸や有機酸などの旨味成分により、塩味だけではない味わいが追加されます。また「麹歩合」と言う麹菌の割合が高い味噌ほどブドウ糖が増えて甘味が強くなり、高級な味噌と言われています。また、米味噌、麦味噌、豆味噌を2種類以上合わせる「合わせ味噌」も原料や産地の異なる味噌を合わせた味噌で、1種類より味に幅がでておいしくなります。

【その4】臭みを和らげる
においを吸着する作用と味噌独特の香りや味を加えることで、食材の臭みを和らげる効果があります。例えば魚には独特の臭みがありますが、「味噌漬け」や「味噌煮」など味噌と合わせることで味噌の風味が強く出て臭みを和らげることができます。特に魚の臭みは豆味噌を合わせるとより和らぎます。


<味噌の塩分>

味噌の良さはたくさんありますが、調味料として保存性を高めるために塩分含有量が多いところが注意点です。味噌は大さじ1杯で約2g塩分(参考値:成人男性1日あたりの目標量は8g以下)が含まれています。料理の味付けとして使う場合、味噌料理ばかりになったり、濃い味付けにしてしまうと塩分の摂り過ぎになるので注意しましょう。
また、一般的な家庭の味噌汁1杯の塩分はおよそ1.5g程度、市販の味噌汁では約2gもあり、市販の味噌汁は成人男性1食分の7割以上にもなります。そのため味噌汁と組み合わせる料理は、塩分の多めな煮物ではなく、あまり塩分の多くない料理(酢の物、お浸し、野菜サラダなど)にしたり、具沢山にして汁を控えめにしましょう。

※高血圧の方は1日あたりの塩分目標量が6g以下です。家庭の味噌汁の場合でも1食分の7割以上になるので、味噌汁は1日1回程度にしましょう。


<味噌の活用>

味噌を使った料理といえば味噌汁ですが、味噌汁以外にも様々な活用方法があります。旨味や味を生かして色々な料理にも使ってみましょう。

・炒め物
塩や醤油の代わりに、酒で溶いた味噌で味付けすれば、味が濃厚になりご飯がすすむ一品になります。

・味噌漬け
みりんや酒などと混ぜたものに肉や魚をつけこめば、保存性が高まり、肉や魚を柔らかくする効果もあります。焼くときには味噌をクッキングペーパーなどで拭き取ってください。

・和え物
味噌に砂糖と酢を混ぜて酢味噌和えにすると、さっぱりとして食べやすくなります。また辛子を加えた「辛子酢味噌」、ごまを加えた「ごま味噌」、その他食材の風味を生かし、鯛をペースト状にして加えた「たい味噌」、ゆずの果汁や刻んだ皮を加えた「ゆず味噌」などがあり、いろいろな味が楽しめます。

・なめ味噌
調味料ではなくおかずの一品となる料理です。細かく刻んだ野菜や大豆、魚介類などを炒めて味噌とみりんや砂糖など一緒に煮詰めた料理です。豆味噌を使った鉄火味噌や、落花生やくるみなどをとあわせて甘辛く味付けたピーナッツ味噌やくるみ味噌があります。

・隠し味
和食だけでなく、洋食でもミートソースやトマト煮、ハンバーグの種などに隠し味として加えると、コクや味に深みをだすことができます。4人前に大さじ1杯ぐらいを目安に混ぜこみます。


<おすすめレシピ>

和食で使うことが多い味噌ですが、同じ発酵食品で相性の良いチーズを使い、洋風にアレンジしたメニューをご紹介します。旬の青じそは、さわやかな香りに食欲増進効果があり、それに疲労回復のアミノ酸がたっぷりの味噌を合わせれば、体調を崩して食欲が低下しやすいこの時季にぴったりの一品です。

●青じその味噌クリームチーズ

【材料】
・青じそ・・・20枚程度
・クリームチーズ・・・50g
・いりごま・・・小さじ1杯
・味噌・・・小さじ2杯
・砂糖・・・小さじ1杯
・クラッカーまたはバケット・・・お好みの厚さにスライス
・ブラックペッパー・・・お好み

【作り方】
1.クリームチーズを常温に置いて柔らかくしておきます。
2.青じそを粗みじんに切ります。
3.調味料と青じそを混ぜ合わせ、クリームチーズといりごまを入れてさらに混ぜ合わせます。
4.クラッカーやバケットにのせ、お好みでブラックペッパーをかけてお召し上がりください。

【アレンジ】
・いりごまの代わりにくるみやピーナッツなどのナッツを刻んで入れてもおいしいです。
・ヨーグルトでのばしてディップにすると、茹でた野菜や蒸し野菜、ゆで豚などにつけて食べることもできます。 塩味が足りない場合はしょうゆなどを加えて調整してください。
・辛味がお好きな方はブラックペッパーの代わりに一味や七味などを加えてもよいでしょう。