ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

TEL. 03-3962-5100

栄養コラム

ほっけ

No.247

2024年7月1日

管理栄養士 若林美和

7月になり、夏の暑さが増すなかいかがお過ごしでしょうか。今月は「ほっけ」をご紹介します。普段魚を食べる機会が少ない方もぜひほっけを食べてみてください。

ほっけについて

ほっけは春は餌を食べるために、秋は産卵のために沿岸に集まる習性があり、5~7月と11月に多く獲られ、この旬の時期のほっけは特に脂がのっていておいしいです。
鮮度が落ちるのが早いため、生のほっけが食べられるのは北海道などの産地に限られており、
それ以外の地域では干物として出回っていることがほとんどです。
種類は主に2種類で、1つは「真ほっけ」。これは北海道で獲れることが多く、小ぶりでくせのない上品な脂の味が特徴です。
もう1種類は「しまほっけ」で、ロシアで獲れるため輸入品がほとんどです。
脂乗りが良くジューシーなのが特徴でスーパーなどで手に入りやすいのはしまほっけです。
ほっけは漢字で「魚」偏(へん)に「花」と書きます。この漢字は中国にはない日本独自の漢字で、幼魚の色が美しい青緑色で群れで泳ぐと花のように見えることから、魚偏に花となったとされています。


栄養的特長

高たんぱく質で低脂質

ほっけは脂乗りが良い魚ですが、実際は高たんぱく質・低脂質な食材です。高たんぱく質・低脂質なイメージのある鶏肉と比べても遜色ないです。筋肉を構築・強化するにはたんぱく質が不可欠のため、運動やトレーニングをした後にもお勧めです。
また、肉厚で食べ応えがあるので満足感が得られますが、低脂質で摂取カロリーを抑えることができ、減量中にも役立ちます。

カルシウムが豊富

骨と歯の主要な構成成分であり、その他にも人体にとって重要な働きを持つミネラル「カルシウム」がほっけには豊富に含まれています。同じ開き干しのあじと比較してもとても多いことが分かります。
さらにカルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれており、ほっけのカルシウムを効率よく吸収でき、骨密度を高めたり、神経や筋肉の機能を正常に保つ効果があります。
2つの栄養素を同時に摂取できるので、骨の栄養を補いたい場合にも適しています。

赤血球の健康を守る

ほっけに含まれるビタミンB12は、赤血球の色素成分であるヘモグロビンの合成など、血を作る造血作用を担っています。不足すると血液量が減少して貧血の原因となるので、疲れやすい、めまいがするなど、貧血かもと感じた時にはほっけを食べてみてはいかがでしょうか。

食べる量には注意!

ほっけは1匹で重さ300-400g、体長20cm超えと大きい魚です。ほっけの開き1匹300gとすると537kcalで40代男性の1食当たりの摂取エネルギーの約6割、女性だと約8割にもなってしまいます。
また、塩分量は6gと、男女ともに1日の塩分摂取の目標量のほとんどを占めてしまうため、1匹を1人で食べてしまうと食べ過ぎになります。
「ほっけの塩焼き」などは、居酒屋など飲食店のメニューにもよくありますので、食べる際には注意しましょう。
適正量は1/3匹(80~100g)が目安です。分けて食べるか、何人かでシェアして食べるようにするとよいでしょう。
最近では、コンビニでも「ほっけの塩焼き」を手に入れることができます。内容量が100g程度なので食べ過ぎを防ぐことができ、また電子レンジで加熱するだけなので、自炊が難しい方や一人暮らしの方にもおすすめです。


おいしい焼き方

ほっけの調理法というとやはり開き干しを焼くことが多いと思います。
いつもよりおいしく食べるために焼き方のポイントをご紹介します。

①身から焼く
旨味を閉じ込めるために身から焼きましょう。フライパンや片面焼きのグリルの場合は身から焼き、両面焼きのグリルの場合は身を上にして焼くと良いです。

②予熱しておく
焼く前にフライパンやグリルをしっかり温めておきましょう。温めておくことで身がくっつきにくくなります。また、素早く火が通って香ばしく焼きあがります。

③蒸し焼きにする
中が生焼けの状態を防止するために蒸し焼きにしましょう。焼く前や焼いている途中に水や酒を振ることで火が通りやすくなります。

④焼き過ぎに注意
焼き過ぎると水分が飛んでしまったり、脂が落ちてしまいジューシーな身が硬くなります。ある程度加熱したら火を止めて放置し、余熱を活用してじっくり中に火を通すと焼きすぎを防ぐことができます。


レシピ紹介

ほっけとしめじのバターソテー

いつものほっけをお子さんにも喜ばれる洋風にアレンジしたレシピをご紹介します。
きのこも入っているのでよりビタミンDを摂取でき、カルシウムの吸収率アップにつながります。ぜひ作ってみてください。

【材料】2~3人分
ほっけ開き干し  1枚
しめじ      1/2袋
パプリカ     1/4個
(赤・黄どちらでも可)
にんにく     1片
酒(A)      大さじ2
醤油(A)     大さじ1
みりん(A)    大さじ1/2
こしょう(A)   少々
バター      10g

【作り方】
1.ほっけの頭と尾を切り落とし、縦に半分に切ってから、横に3等分にします。
2.しめじはほぐし、パプリカとにんにくは薄切りにします。
3.フライパンでバターとにんにくを熱し、にんにくがこんがり焼けたら取り出します。
4.ほっけを入れて強めの中火で両面にこんがり焼き色を付けます。弱火にして蓋をし、中に火が通るまで蒸し焼きにし器に取り出します。
5.そのままのフライパンで、しめじ、パプリカを炒めます。(油が多いときは余分な油をキッチンペーパーでふきとってください)
6.しめじとパプリカがしんなりしてきたら、にんにくを戻し、Aを加えて炒めます。
7.器に盛ったほっけの上に、6をかけたら完成です。