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栄養コラム

惣菜で賢く食物繊維をとる方法

No.259

2025年7月1日

管理栄養士 豊泉友加里

食物繊維は、腸内環境を整えたり便通を促すほか、血糖値やコレステロールの上昇を抑えるなど健康維持に欠かせない栄養素です。しかしながら、十分に摂れていないのが現状です。
そんな中、忙しい日々でも手軽に食事を整えられる惣菜は、選び方によっては食物繊維も補える強い味方になります。惣菜だからこそ、「あと一品」と思った時にすぐ加えられる手軽さや、
少量ずつ多種類の食材をとれる利点もあります。今回は、そんな惣菜を活用して食物繊維を上手にとるコツをご紹介します。


惣菜選びの基本

食事を惣菜でそろえる場合【主食1品・主菜1~2品・副菜2品】の組み合わせを意識することで、自然と食物繊維も取り入れやすくなります。

主食(ごはん、パン、麺)

雑穀米や玄米など、食物繊維が豊富な主食を選ぶのがおすすめです。
食パンや白米よりも、全粒粉パンや五穀ごはんなどを選ぶと、
不足しがちな食物繊維を補うことができます。

主菜(肉・魚・卵・大豆製品)

肉野菜炒めやの南蛮漬け、厚揚げやがんもどきの煮物など、野菜が一緒にとれる主菜を選ぶことでも食物繊維の摂取に役立ちます。


副菜(野菜・きのこ・海藻など)

食物繊維をとるためには、やはり副菜の選び方がカギになります。野菜・きのこ・海藻類を使った惣菜は1品以上は必ず取り入れたいところです。例えば、食物繊維がとれる惣菜というとサラダをイメージしがちですが、ひじき煮、切干大根の煮物、きんぴらごぼうなどの定番の惣菜は食物繊維を取り入れる上でもおすすめです。食物繊維がとれる惣菜を参考に1食1品から取り入れてみましょう。

【食物繊維がとれる惣菜一覧】(100gあたり) 
※料理や商品によって具材や調理方法に差があるため、数値は目安です


「定番惣菜」のおすすめの組み合わせ

例えば脂質の多いコロッケや唐揚げを選ぶときは、あっさりとした食物繊維が豊富な副菜を合わせましょう。

コロッケ+ひじき煮

コロッケはじゃが芋が主材料糖質が多い一品のため、食物繊維を一緒にとることで糖の吸収が緩やかになり、食後血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。食物繊維の多いひじきの煮物をプラスしましょう。不足がちな鉄分も補え、栄養バランスが整います。

※おかず分としての推奨量:
1食に必要な食物繊維は約7gとされています。このうち、ご飯1杯(150g)には約2.3g含まれているため、残りの約4.7gをおかずで補うことを基準に算出しています

唐揚げ + おくらのサラダor海藻サラダ

唐揚げには、脂質の抑えたサラダを組み合わせるのがおすすめです。中でも粘り気のあるおくらや海藻は水溶性食物繊維を多く含み、余分な脂質の吸収も抑えてくれます。


「冷凍野菜」で食物繊維をプラス

手軽な冷凍野菜と惣菜の組み合わせで、簡単に食物繊維を追加できます。
野菜を取り入れることで、栄養と彩りが増し、満足感のある一品に仕上がります。

【冷凍野菜と惣菜の組み合わせ例】

おすすめの組み合わせ冷凍野菜のポイント

・冷凍いんげん:彩りが良く、煮物・炒め物・サラダなど様々な惣菜に合います
・冷凍ブロッコリー:栄養価が高く、彩りとボリュームもアップしやすくなります
・冷凍ほうれん草:惣菜の味になじみやすく、煮物やお浸し、和え物などに使いやすいです

他にも最近では、フリーズドライの野菜などがパックで販売されているものもあります。
汁物などにそのままプラスしたり、加熱調理する際にプラスするだけで手軽に野菜を加えることができます。スーパーの乾物売り場などに取り扱いがあるので、ぜひご参考ください。


「カット野菜」でもう一品!手間なし副菜に

“時間がないときでも、栄養バランスのよい食事を取り入れたい”そんなときに頼りになるのが「カット野菜」です。あらかじめ洗ってカットされているので、袋から出してすぐに使える手軽さが魅力です。とはいえ、「そのままでは味気ない…」と感じることもあるかもしれません。そんなときは、冷蔵庫にある食材と組み合わせてみましょう。ちょっとした工夫で、簡単に満足感のある副菜が作れます。

カットキャベツ × ベーコン × チーズ

チーズとベーコンで、たんぱく質もとれ、ボリュームのある副菜になります。チーズのコクと
ベーコンの塩気で、味付け不要のため、忙しい時でも手軽に作ることができます。

(作り方)
キャベツの上に細切りベーコンとピザ用チーズをのせて、ラップをして600Wで2分程加熱します。お好みで黒こしょうをかけて完成です。

カット玉ねぎ ×ツナ・しょうゆ少々

ツナを加えることでたんぱく質を補うことができ、ノンオイルタイプを選べば脂質も控えめに仕上がります。

(作り方)
カット玉ねぎを水気を軽く切ったツナと、しょうゆ少々を加えて和えて完成です。
※ツナをサバ缶に変えたり、刺身などでもおすすめです

カットもやし × キムチ ・ごま油少々

キムチとごま油の風味で、味付けなしでも美味しくいただけます。そのままはもちろん、豆腐や豚しゃぶ、鶏ささみなどに添えれば、メインのおかずとしても活用できます。

(作り方)
もやしを耐熱皿に入れてラップをかけ、電子レンジで1~2分加熱し、水気を切ったらキムチとごま油であえて完成です。お好みで海苔、白ごまをかけて中華風に。
※豆腐や豚しゃぶと合わせると、おかずの1品にもなります


おすすめレシピ

惣菜を活用して、ごはんにのせるだけの簡単ビビンバ丼です。
ナムルや肉の惣菜にカット野菜を加えることで、
食物繊維の摂取量もアップし、満足感のある一品に仕上がります。

惣菜で簡単!ビビンバ丼

【材料(1人分)】
・ごはん                           茶碗1杯分(150g)
・カット野菜(もやしミックスや千切りキャベツなど)      ひとつかみ程度
・市販のナムル(3種セットなど)                1/2パック
・お好みの肉惣菜(牛焼肉、プルコギ、豚キムチ、生姜焼きなど) 適量
・温泉卵または目玉焼き                    1個

【作り方】
1.器にごはんを盛り、カット野菜、ナムル、惣菜をのせます。
2.中央に温泉卵(または目玉焼き)をのせ、   お好みで白ごまをかけて完成です。
※惣菜はレンジで温めてからのせても美味しくいただけます

【アレンジ】
・肉の惣菜は、焼き鳥・唐揚げなどもおすすめです。
・ナムルの代わりに、きんぴらごぼうや切り干し大根などの和惣菜を使い、焼肉のたれやコチュジャンをかけても美味しくいただけます。
・ご飯の代わりに、うどん・素麺・中華麺などの麺類にアレンジしても楽しめます。