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栄養コラム

じゃがいも

No.58

2008年6月1日

国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者(NR) 管理栄養士 杉田 恭子

先月に続いて、今月も旬の"新物"をご紹介! 今月の"新物"は「じゃがいも」です。
じゃがいもは1年中スーパーで見かけるので、「旬」が分かりにくいかもしれませんが、大きく分けると、春と秋の1年に2回の旬の時期があり、春(5月~6月)にとれるじゃがいもを「新じゃが」と呼んでいます。
この時期にとれる「新じゃが」は大きさは小ぶりですが、皮が薄いためよく洗えば皮ごといただくことができます。
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じゃがいもの呼び方

じゃがいもは、インドネシアのジャカルタを拠点にしていたオランダ人が持ち込んだと言われています。
当時ジャカルタは「ジャガタラ」と呼ばれており、「ジャガタラからきたイモ」ということで、「ジャガタライモ」と呼ばれていたのが「じゃがいも」になったといわれています。
また、じゃがいもの呼び方には様々な呼び方があります。
そのひとつである「馬鈴薯」とは、学者の小野蘭山が「馬鈴薯がじゃが
いも」であると言ったことから、じゃがいもを馬鈴薯と呼ぶようになっumaたという説があります。
また、馬の首に付ける鈴に似ているからという説もあります。
その他に、関西の方面では1年に2回収穫されることから「ニドイモ」、また北海道では一株からいくつものとれることから「五升いも」「八升いも」とも呼ばれることがあるようです。


じゃがいもの栄養

主成分が炭水化物なので、「芋=高カロリー」というイメージで摂取を控えてしまう方もいるかもしれませんが、実はご飯の半分のカロリーなのです。その上、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれていますので、ご飯の代わりに食べるのであれば、ご飯より栄養満点でカロリー控えめです!

●ビタミンC
ビタミンCといえば、かんきつ類の果物を思い浮かべますが、じゃがいもにもビタミンCが多く、なんと、オレンジと同程度含まれています。
さらに、ビタミンCは熱に弱く、ほうれん草の場合3分間茹でるとビタミンCの量は半分程度まで減ってしまいます。しかし、じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれているため熱に強く、40分加熱しても70%程度までしか減りません。

●ビタミンB1
ビタミンB1を上手にとるためには、主食の精白米を胚芽米に変えることがお勧めですが、じゃがいもにも胚芽米と同じくらいビタミンB1が含まれています。

●カリウム
じゃがいもは「カリウムの王様」と呼ばれるほど、カリウムを多く含んでいます。
果物よりカリウムの含有量が多く、なんと、オレンジの2倍以上も含まれてousamaいるのです!
カリウムは余分な塩分を排泄して血圧を整える働きがあります。塩分のとり過ぎが気になる方は、不足のないようにして頂きたい栄養素といえます。

●食物繊維
日本人には不足しがちな食物繊維ですが、じゃがいもは玄米と同程度の食物繊維が含まれており、野菜や果物と比較しても、じゃがいも1個分でレタス4枚分、バナナ1本分と同程度の食物繊維をとることができます。
また、玄米、レタス、バナナなどは、食物繊維の中でも不溶性食物繊維の割合がほとんどですが、じゃがいもは、水溶性と不溶性の食物繊維の割合がほぼ同量含まれています。近年食物繊維はその働きが注目され、トクホ食品(*)も増えています。じゃがいもは自然のトクホ食品といえます。
*トクホ食品については「コラムNo33 特定保健用食品1」をご覧下さい。


じゃがいもの種類

じゃがいもは世界で2000種類以上の品種があるといわれています。そのうち、日本で栽培されているのは20種類ほどで、目的別に分けると大きく3つに分けることができます。

●料理用 
私達が日常的にスーパーなどで購入するじゃがいもです。代表的なものとしては、「男爵」「メークイン」「キタアカリ」などがあります。

●でん粉原料用
片栗粉に加工したり、練り製品のつなぎに使うことを目的に栽培されているため、一般の食糧マーケットなどで出回ることはほとんどありません。品種としては、「ベニマル」「ベニアカリ」などがあります。

●加工用
糖質が少なく、加工しても色が変わりにくいじゃがいもで、ポテトチップや
フライドポテトなどに加工されます。品種としては、「トヨシロ」「ワセシロ」potetochipu
「ホッカイコガネ」などがあります。


料理に合ったじゃがいもの選び方

●粉ふきいも・マッシュポテト・コロッケなど
・おすすめ:男爵・キタアカリ
じゃがいものホクホク感や粉感を楽しみたい料理には、でんぷん量が多いkorokke男爵薯やキタアカリがおすすめです。

●煮物・カレーなどの煮込み料理
・おすすめ:メークイン
料理の際の型崩れを防ぎたい場合は、でんぷん質が少なく粘質carryであるメークインがおすすめです。

●フライドポテト
・おすすめ:トヨシロ・ホッカイコガネ
加熱調理による色変わりや型崩れを防ぎたい場合は、トヨシロ・ホッカイpotetoコガネがおすすめです。
でんぷん量は多いのですが、加熱による崩れが起こりにくいじゃがいもです。


じゃがいものレシピ

大人のお酒のおつまみに、また子供のおやつにもお勧めです。 

●じゃがいものチヂミ●

【材料】2人分
・じゃがいも 1個
・にら    1/2束tidimi
・にんじん  1/4本
・卵     1個
・薄力粉   1/2カップ
・水     大さじ3程度(じゃがいもの水分によって調整)

《たれ》
・しょうゆ 大さじ2
・酢    大さじ1
・ごま油  小さじ1
・豆板醤  適量
・刻みねぎ 適量
・おろしにんにく 適量

【作り方】
①たれの材料は全て合わせておきます。
②じゃがいもは皮をむいて、すりおろします。
③にんじんは皮をむいて、せん切りにし、にらは3cm長さに切ります。
④②に溶いた卵、小麦粉、水を加えてよく混ぜます。
⑤④に、にら、にんじんを加え混ぜます。
⑥フライパンに油をひき、④の半分量程度を流し入れ、薄くのばします。
⑦弱火から中火で両面をじっくり焼きます。火が通ったら、最後に強火で焼き色をつけて
 できあがり。
※ お好みで、豚肉、あさり、イカなどを入れても美味しく頂けます。
※ 子供向けには豆板醤やにんにくは控えめにしましょう。