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栄養コラム

毎日果物200グラム!

No.149

2016年5月1日

管理栄養士 田原 佳奈

普段果物を食べる習慣はありますか。昔は食後やおやつに果物を食べる習慣がありましたが、最近では果物を食べる習慣が少なく、特に若い年齢層で果物の摂取量が少ない傾向です。野菜はヘルシーや健康な食品として増やす習慣が定着しつつあるようですが、果物も健康のために毎日食べて欲しい食品です。


果物のメリット


「1日1個のリンゴは医者要らず」ということわざもあるように、果物には様々なメリットがあり、毎日の生活に効率的な栄養補給源となります。 果物・食に関わる団体や専門家で構成されている「食生活推進全国協議会」では、「毎日くだもの200グラム運動」を推進し、食生活に欠かせない食品として果物の積極的摂取を推奨しています。

【メリット1】エネルギー補給源
果物にはエネルギー源となる糖質が多く含まれています。果物に含まれる糖質は素早くエネルギーに変換されやすいため、効率の良いエネルギー補給に適しており、体を動かしたり、脳を働かせるエネルギーになります。ただ、近年の「低糖質ダイエット」等から糖質が多めであるという理由により、果物が敬遠されることもあるようですが、果物に含まれる糖質量は菓子類と比べると半分以下で、決して多すぎるということではないのです。

(食品100g中)

           糖質(g)       
  りんご    13.1  
  バナナ    19.4  
  ケーキ    44.0  
  まんじゅう    61.2  

(日本食品標準成分表2015年版より)

【メリット2】血糖値を上げにくい
甘い=血糖値を上げると考えられがちですが、果物に多く含まれる「果糖」は他の糖質と違って血糖値への影響が少なく、かつ血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が少ないのが特徴です。そのため食後の血糖値の上昇率を示すGI値を比較しても果物は低く、野菜と同じぐらいです。

         GI値       
  果物類    30~50  
  野菜類    20~50  
  穀類(ご飯、パンなど)    50~90  
  菓子類(ケーキ、まんじゅうなど)    80以上  

※食品分類ごとの目安

【メリット3】低カロリー
果物は「高カロリー」や「太りやすい」と思われがちですが、菓子類と比べると低カロリーです。

           エネルギー(kcal)       
  りんご 1/2個    60  
  バナナ 1本    85  
  まんじゅう 1個    130  
  ショートケーキ 1個    400  

 (日本食品標準成分表2015より)

【メリット4】ビタミンやミネラルが摂れる
果物は体の機能を調節する働きをもつ栄養素「ビタミン・ミネラル」源として優れており、なかでもビタミンC、E、B群、カリウムなどを補えるので、体調を整える、免疫を高める、肌を整える効果に繋がります。
例えば、果物と野菜のビタミンC量を比較すると、野菜よりも果物の方がビタミンC含有量は多く、果物で簡単にビタミンCを摂ることができます。

(食品100g中)

               ビタミンC(mg)       
果実類  キウイ    69  
  いちご    65  
  オレンジ    60  
野菜類  キャベツ    41  
  トマト    16  
  レタス    5  

 (日本食品標準成分表2015より)

その他にも果物の摂取により生活習慣病予防・ガン予防への効果や、最近ではみかんに含まれる骨の健康を維持する成分「β-クリプトキサンチン」などの「機能性成分」についても注目されてきています。


果物の目標量

健康保持増進に向け、正しい食生活を実現するために立てられた「食生活指針」(農林水産省)、及び1日に何をどれだけ食べればよいかの目安として作成された「食事バランスガイド」(農林水産省)において、「毎日果物を摂り入れること」「1日200g程度摂取すること」が勧められています。

  • 1日の果物目標量(200g)の目安

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最近の果物摂取量

最近の日本人の果実類平均摂取量は105.2g(2014年国民・健康栄養調査)となっており、約40年前と比べると半分量になっています。

さらに性別・年代別で果実類平均摂取量を比べると、男性より女性が多く、60歳以上は男女ともに100gを超えていますが、20代~40代は男女ともに100g以下となっています。特に男性20代~40代では50g以下となり、目標量の1/4も満たしていません。


おすすめレシピ

手軽に揃えられるりんごとバナナ、ヨーグルトを使用したヘルシーデザートをご紹介します。果物は生のままばかりでなく、ちょっと食べ方を変えることでもっと楽しむことができます。食後やおやつなどに甘いデザートが食べたくなったときに短時間で簡単に作れます。一人前約160kcal、アイスクリームと比べると約半分になるので、ダイエット中でもお勧めです。

●焼きフルーツ・ヨーグルトがけ

【材料】(2人分)
・りんご・・・1/2個
・バナナ・・・1本
・バター・・・10g(大さじ1杯弱)
・砂糖・・・10g(大さじ1杯強)
・シナモン・・・お好み
・プレーンヨーグルト・・・60g
・ハチミツ・・・14g(小さじ2杯)

【作り方】
1.りんごは皮つきのまま芯を除いて8~10等分程にスライスし、バナナは1cm程の輪切りにします。
2.ヨーグルトとはちみつ混ぜ合わせておきます。
3.フライパンにバターを入れ、りんごとバナナを並べて焼きます。
4.少し焼き色がついたら砂糖を入れ、両面にしっかり焼き色がつくまで焼き、お好みでシナモンをふりかけ、さっとからめてお皿に盛り付けます。
5.2.のヨーグルトをかけ、お好みでシナモンをふりかけて完成です。

※バナナは火が入りやすいですので、焦げそうなときは一度取り出しておきましょう。

【アレンジ】
・フルーツはお好みの果物を選んでください。(キウイ、ブドウ、いちごなどでも美味しいです)
・ヨーグルトの代わりに、冷たいアイスクリームやクリームチーズなどをトッピングしても熱々なフルーツと合わさり、まろやかになります。
・食べるときにさっとレモン汁をしぼると爽やかな風味になります。