ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

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栄養コラム

購入の活用術

No.160

2017年4月3日

管理栄養士 田原 佳奈

料理をつくる時間がないときや、ひとり暮らしの方などコンビニやスーパーなどでお弁当や惣菜を購入して食事をする方がとても多くなりました。購入する場合でも食事の選び方、組み合わせ方次第で栄養バランスの整った食事にすることができます。忙しい日々の中で手軽に購入できるお弁当や惣菜を活用しながら、食事を整えていきましょう。コラム題20170


最近の食事傾向

無題最近の国民健康・栄養調査(平成27年)では、外食やお弁当・惣菜を定期的に利用している方は、男性で約40%、女性で約30%でした。男性の20代~50代では50%を超え、働く世代の半数以上の方が利用しています。また、女性では20代が最も多く、40%以上の方が利用しています。(グラフ1) 核家族が増え、家族そろって食卓を囲むことが減ったり、女性就労者や高齢者世帯の増加などにより、コンビニや中食産業が増加しており、さらに利用しやすい環境になっています。
しかし、外食やお弁当・惣菜を定期的に利用している方は、ほとんど利用していない方、つまり自宅で手作りの食事を食べている方と比べると、「主食・主菜・副菜」(※)すべてを揃えて食べることが少ない傾向にあるため、栄養バランスに偏りが出やすくなる可能性が考えられます。(グラフ2)
時代背景から今後も外食やお弁当・惣菜を購入する人が増えてくると思われますので、これらをうまく活用しながら食生活を豊かにしていきましょう。

※主食(ご飯、パン、麺類など穀類の料理)          
 主菜(魚介類、肉類、卵類、大豆・大豆製品を主材料にした料理)
 副菜(野菜類、海藻類、きのこ類を主材料にした料理)  

(グラフ1)外食やお弁当・惣菜を定期的に使用している方の割合
外食利用グラフ  

(グラフ2)外食やお弁当・惣菜の利用頻度別「主食・主菜・副菜」を組み合わせた食事の頻度

(20歳以上) 
主食・主菜・副菜利用グラフ
(平成27年国民健康・栄養調査より)


お弁当・惣菜を活用するメリット

・時間短縮ができる
帰宅が遅くなったときや時間がないときなどは、作る時間を短縮して早く食べることができます。さらに購入すれば調理の手間や片付けの時間も省くことができます。

・色んな種類の食品を手軽に増やせる
多くの種類の食品をとることは食品のもつ様々な栄養成分をとることができるので、健康づくりの食生活として推進されていますが、食品の種類を増やすにはそれらを揃える準備・調理に手間がかかり、なかなか難しいものです。そこで調理済みのお惣菜を利用することで、手軽に色々な種類の食品を取り入れることができます。

・いつもと違った料理を食べることができる
例えば時間がかかる手の込んだ料理や、普段あまり食べないような料理も選ぶことができ、食事のバリエーションが広がります。食事のマンネリ化を防ぎ、食事への楽しみや興味を増やすことで、食事をしっかりとる習慣を持つことも大切です。

・廃棄や無駄が少なくなる
食品を買って料理を作ると、使いきれずに食品が余る場合がありますが、購入する場合は1食分の適度な量を購入して食べることができます。


注意点

お弁当・惣菜は、比較的味がしっかりついているものが多いため、組み合わせ方によっては塩分の摂り過ぎとなります。塩分が多い食事習慣は血圧や腎臓、心臓などへの影響がありますので、麺類、スープや汁物をあまり選ばない、醤油やソースを控えめにかける、1品は味のついていないサラダを組み合わせるなどにして塩分過剰にならないように調整しましょう。


主食・主菜・副菜を揃えましょう

◆主食・主菜・副菜とは
主食・主菜・副菜は主に使用されている食品で料理を分類しています。食品に含まれる栄養はそれぞれ異なる働きを担っており、相互に働くことでそれぞれの役割を果たすことができるため、食事を整えるにはいろいろな食品を組み合わせて取ることが必要です。この組み合わせを考えるときに主食・主菜・副菜の料理を揃えて選ぶと、食事を整えことができます。

【主食】・・・ご飯、パン、麺類など穀類の料理   
 主な役割:体を動かすエネルギー源。体温を上げる。
主食

主食が不足してエネルギー源が不足すると、筋肉など体の中のたんぱく質からエネルギーを作り出し、筋肉量を減らすことにつながるので不足しすぎるのもよくないですが、逆に摂り過ぎるは肥満の原因になるので過剰になりすぎないことも大切です。

【主菜】・・・魚介類、肉類、卵類、大豆・大豆製品、乳製品を主材料にした料理
 主な役割:筋肉や血液など体を作るもとになる。
主菜

体を作るたんぱく質の主要な補給源ですが、体に溜めておくことができないので食事の毎に補給することが必要です。不足すると筋肉量や免疫力の低下、赤血球の減少により貧血などにつながります。

【副菜】・・・野菜類、海藻類、きのこ類を主材料にした料理
 主な役割:体の機能を調整する。
副菜

ビタミンやミネラルの主な供給源です。エネルギーや体の組織を作り出す働きを助けるために必要です。現代では不足しがちな栄養ですが、不足するとエネルギーを作り出すことも筋肉や血液を作り出すこともスムーズに行えません。

 

◆整え方

1.主食
成人男性の1食あたりの目安量は、普通茶碗1杯半、パン6枚切り2枚、うどん1玉位です。肥満やメタボリックシンドロームの方は、目安量より控えめに摂りましょう。また、丼ぶりご飯やお弁当にカップラーメンを組み合わせる「主食+主食」の食べ方をすることが多い方は、ご飯を少し残したり、カップラーメンを味噌汁やスープに変えるなどして主食量が多くなりすぎないようにしましょう。

 

2.主菜
1食1~2品を目安に摂りましょう。成人男性の1日あたりの主菜の摂り方の目安量は焼き魚1切れ、生姜焼き1皿、ゆで卵1個、豆腐1/3丁、牛乳コップ1杯です。サラダやスープだけ、かけうどん、おにぎりやパンだけになっている場合は、例えばサラダなら鶏肉やハムののっているものを選んだり、ゆで卵や豆腐・納豆などを追加しましょう。

 

3.副菜
野菜料理は1食小鉢1~2皿が目安です。野菜炒めや八宝菜、酢豚などの野菜が多い料理を選んだり、サラダ・具沢山のスープなどを追加するようにしましょう。


おすすめレシピ

買ってきたお惣菜でも、簡単なひと手間を加えるとオリジナルなおかずに変身します。コンビニでもよく揃っている商品で簡単バランスアップメニューをご紹介します。

●ひじき豆腐
副菜のひじきに主菜の豆腐を混ぜて、1種類で2つをまかなえる料理です。ひじき煮の塩分だけで食べられるので全体的な塩分を減らすことができます。

【材料】(2人前)ひじき豆腐
・ひじき煮・・・1パック(80g)
・木綿豆腐・・・1/3パック(50g)

【作り方】
1.豆腐をキッチンペーパーでくるみ、電子レンジに600w30秒かけ、細かく潰します。
2.1.にひじき煮と混ぜ合わせてお皿に盛り、お召し上がりください。

※味付けに物足りなさを感じたら、削り節や炒りごまを加えると塩分を増やさずに美味しく召し上がれます。

 

●もやしきんぴら
惣菜で副菜を増やすとお金もかかりますが、安く手軽に使えるもやしを使って、副菜量を増やせるメニューです。

【材料】(2人前)もやしきんぴら
・きんぴらごぼう・・・1パック(80g)
・もやし・・・1/4パック(75g)

【作り方】
1.もやしを洗ってお皿に盛り、ラップをかけて電子レンジで30秒加熱します。
2.1.にきんぴらごぼうを混ぜ合わせてお皿に盛り、お召し上がりください。

※七味唐辛子やらラー油をかけるとピリ辛になり味が引き締まります。
※水菜や貝割れ大根を加えるとさっぱり感が加わり彩りもよくなります。