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栄養コラム

あさり

No.159

2017年3月1日

管理栄養士 田口瑛里沙

あさり

少しずつ暖かい日が増え、春の訪れを感じますね。
あさりなどの貝類は、春に旬を迎えます。レストランなどの春メニューに登場したり、3月中旬以降になると潮干狩りシーズンが始まり、貝類を食べる機会が増えるのではないでしょうか。今回ご紹介するあさりは、貝類の中でも収穫量が多く、比較的安価で調理しやすい貝のため、料理に取り入れやすい食品です。
また、3月1日から一週間は厚生労働省が定めた「女性の健康週間」であり、女性の様々な健康問題を社会全体で支援する国民運動が全国的に展開されています。女性の主な健康問題は骨粗鬆症や、たんぱく質摂取量減少による筋肉量低下や貧血などですが、これらの予防にあさりがおすすめです。
あさり


あさりについて

1年中スーパーなどで見かけますが、あさりは初夏に産卵期を迎えるため、産卵前の3月~4月が最も身が大きく、栄養が豊富でおいしいときです。潮が引いたときにあらわれる遠浅の浜を掘るとすぐに見つかり、一箇所を掘ると何個もとることができます。あさりの貝殻模様は様々で、全体的に黒っぽいものより、潮干狩り白黒、茶色、紫など色の模様がはっきりしていて、貝殻が薄く平べったいものがおいしいあさりといわれています。
あさりは、殻のまま冷凍すると1~2ヶ月くらい長期保存することができ、使うときも簡単で汁物や蒸し物、炒め物などの様々な料理に活用され、
親しまれています。


あさりの栄養的特徴

あさりは、たんぱく源になるだけでなく、海水に溶けているミネラルなど様々な栄養を貝の中に閉じ込めており、優れた食品です。

●貧血予防
あさりには、血液中の赤血球をつくるために必要な「鉄」が豊富に含まれています。鉄が不足すると、赤血球が不足し貧血になりますが、それ以外にも「ビタミンB12」が不足すると赤血球をうまくつくることができず貧血になることがあります。ビタミンB12は、赤血球を正常につくる造血ビタミンで、血液をつくる際に重要な役割をしています。貧血
鉄は、野菜にも比較的多く含まれていますが、ビタミンB12は全く含まれていないため、別の食品から補う必要があります。この2つの成分を合わせてとれるのは、あさりなどの貝類のみです。また、鉄の吸収を促進するたんぱく質も含まれるため、貧血予防にはおすすめです。

<食品成分の比較(100gあたり)>

 鉄(mg)ビタミンB12(mg)
あさり3.852.4
ほうれん草2.00

             (日本食品標準成分表2015より)

●骨粗鬆症予防
骨粗鬆症予防には、カルシウムだけでなくマグネシウムもとることが重要です。マグネシウムは、骨カルシウムと共に骨の形成に重要な成分であり、不足すると骨密度を下げる原因にもなりかねません。
骨に重要なこの2つの成分をどちらも強化できるのが、あさりです。牛乳と比較すると、カルシウム量は牛乳の6割程度ですが、マグネシウムは10倍も多く含まれています。

<食品成分の比較(100gあたり)>

 カルシウム(mg)マグネシウム(mg)
あさり66100
牛乳11010

              (日本食品標準成分表2015より)

●疲労回復効果
スタミナドリンクの主成分の一つでもある、タウリンがあさりには多く含まれています。タウリンは、疲労の原因となる乳酸が身体に溜まるのを抑えるため、疲労回復に良いといわれています。また肝臓の解毒作用を活発にし、肝機能を回復させる効果も期待できます。

 

●減塩効果
あさりなどの貝類には、「コハク酸」という貝類特有の旨味成分が含まれます。旨味は、日本が生んだ甘味、酸味、塩味、苦味に加わる味の一つで、料理のおいしさを表します。この旨味はあさりから出る「だし」に含まれ、だしを活かして汁物、炒め物、煮物、ご飯やパスタなどを作ると味付けが薄くても気にならず、減塩料理が作れます。


食べる前や冷凍保存前には砂抜きを

あさりを食べたとき、じゃりっと砂を食べたような経験はありませんか。それは、あさりの中に砂が残った状態のためです。あさりは、砂の中に生息しているため、呼吸をするとき砂も一緒に貝の中に閉じ込めてしまうので、食べる前や冷凍保存前には砂抜きが必要です。

【砂抜きの方法】
1.あさりが入る平たい容器(バットなど)と、あさりが浸るくらいの塩水(塩分濃度約3%)
  を用意します。
  ※塩水の作り方(500mlの場合)・・・水500mlに対して、食塩は15g(大さじ1)
2.平たい容器にあさりを入れ、1の塩水をあさりが浸るくらい入れます。
3.2にアルミホイルをかぶせて、潮干狩りのものは一晩、購入したものは2~3時間程、
  冷蔵庫または冷暗所に置いて砂抜きします。あさりは呼吸をしているので容器を
  閉め切らないようご注意ください。


あさりを食べるときの注意点

あさりなどの二枚貝を生や十分に加熱しないで食べると、ノロウイルスによる食中毒になることがあります。ノロウイルスは、85度で1分間以上加熱すると死滅するので、十分に加熱してから食べるようにしましょう。バイキン
また、加熱しても閉じたままの貝は、鮮度が落ち、細菌などが増殖していることが考えられるので、他の食材が痛まないように早めに取り出すようにすると良いでしょう。


おすすめレシピ

あさりは殻ごと調理でき、さらにあさりからでる特有のだしで、意外に手間なくおいしい料理が作れます。今回は、一品追加したいときに簡単に作れるスープと、あさりを使った簡単なメイン料理をご紹介します。

●あさりのクラムチャウダー風簡単スープ 

【材料】(2人前)ミルクスープ
・あさり(殻つき) ・・・10個
・ミックスベジタブル(冷凍) ・・・1/2カップ
・牛乳 ・・・1/2カップ
・水 ・・・1カップ
・コンソメ ・・・1/2個
・塩、こしょう ・・・少々
(・パセリ ・・・少々)

【下準備】
・あさりは、砂抜きをし、殻の表面をこすり洗いしておきます。

【作り方】
1.鍋に水、コンソメ、あさりを入れ、沸騰するまで火にかけます。
2.沸騰したら火を弱め、アクを取り除き、あさりが開くまで煮ます。
3.あさりが開いたらミックスベジタブル、牛乳を入れてひと煮立ちさせます。
4.最後に塩、こしょうで味を調えて完成です。お好みでパセリをかけると仕上がりがきれいに
  なります。

※冷凍のあさりを使う場合は、1の工程で鍋に水とコンソメを入れ、沸騰した後にあさりを加え
 ましょう。水から入れてしまうと殻が開かない場合があります。

【アレンジ】
・あさりの量を多くし、キャベツや玉ねぎ、じゃがいもなどをプラスするとメイン料理のスープ
 としてもいただけます。


●簡単アクアパッツア

【材料】(2人前)アクアパッツア
・あさり(殻つき) ・・・15個
・たら切り身 ・・・2切れ
・プチトマト ・・・6個
・酒(または白ワイン) ・・・大さじ3
・にんにくみじん切り ・・・1かけ分
 (あるいはにんにくチューブなら約3cm)
・塩、こしょう ・・・少々
・オリーブオイル ・・・大さじ1
・パセリ ・・・少々

【下準備】
・あさりは、スープと同様に砂抜きをし、殻の表面をこすり洗いしておきます。
・たら切り身には、塩、こしょう(分量外)で下味をつけておきます。

【作り方】
1. フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れ、にんにくの香りがしてきたら、たらの
  皮面を下にして焼きます。
2.皮面がきつね色になったらひっくり返し、あさり、プチトマト、酒を入れて蓋をし、5分程
  蒸し焼きにします。
3.5分経ったら蓋を開け、少しアルコールを蒸発させます。
4.最後に塩、こしょうで味を調え、パセリを散らしたら完成です。

※冷凍のあさりを使う場合は、2の工程でプチトマトと酒を入れ、酒が沸騰してきたらあさりを
 入れて蓋を閉めましょう。

【アレンジ】
・魚は鮭や鯛、すずきなどでもおいしくいただけます。
・オリーブや、バジル、レモンを加えると香りや彩りが良くなり、本格的なアクアパッツアに
 仕上がります。