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栄養コラム

長芋

No.157

2017年1月5日

管理栄養士 田口瑛里沙

あけましておめでとうございます。
新たな一年がスタートしましたね。今年も良い一年にしましょう。

年末年始はご馳走が多く、つい食べすぎたり飲みすぎたりしてしまった方も多いのではないでしょうか。そのようなときは、胃腸も疲れているので、胃腸にやさしい食事をしたいところです。今回は、疲れた胃腸を労わるのにおすすめの食品「長芋」についてご紹介します。
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長芋について

長芋は、山芋(やまのいも)の種類の一つで、山芋の仲間は他にも「大和芋」や「じねんじょ」などがあります。これらの山芋は、じゃが芋など他の芋類と違い、生で食べることができるので手軽に食べやすい食品です。特に長芋は、取り扱っている店舗も多いため入手しやすく、また他の山芋に比べて低コストなことも利用しやすい理由の一つです。
長芋の形は、直径3~5cm程度、長さは20cmくらいのまっすぐな棒状で、旬は秋~初春です。秋~冬にかけて栽培したものは、皮が薄く皮ごと食べられ、また水分が多くみずみずしくシャキッとした食感が魅力です。


長芋の特徴

長芋は古くから滋養強壮や疲労回復として食べられており、中国では漢方薬としても使われています。

【特徴1】消化を助ける %e8%83%83
食べものを消化するには、消化酵素が必要ですが、長芋にはその消化酵素が多く含まれています。長芋と併せて食べることで食事の消化を促進し、胃腸の働きを助けてくれます。年末年始に限らず、食べすぎや飲みすぎたときにもおすすめの食品です。

【特徴2】そのまま生で食べられる
芋類の主成分はでんぷんのため、通常は加熱して食べるものですが、長芋にはでんぷんを分解する酵素が含まれているため、生でも食べることができます。この消化酵素は加熱すると消えてしまうため、生食できる長芋ならではの特徴です。

【特徴3】様々な食感が楽しめる%e3%81%a8%e3%82%8d%e3%82%8d
長芋は、調理法によってはいろんな食感が楽しめます。たたいて細かくしたり、千切りして食べるとシャキッとした食感になったり、すり鉢などですると粘りが出て食べやすくなります。また、火を通すと他の芋類と同様のホクホクした食感も楽しめます。


長芋の栄養

芋類は、高エネルギーなイメージがあり敬遠されがちですが、長芋は低エネルギーで、その他にも様々な栄養が含まれています。

●低エネルギー
長芋は、さつま芋やじゃが芋に比べると低エネルギーです。とろろ芋小鉢とご飯のエネルギーを
比較すると、とろろ芋小鉢約6杯分でご飯1杯分に相当します。普段からご飯を大盛りで食べる、あるいはご飯を2杯食べるという方は、ご飯を1杯にし、そこへとろろ1杯を加えて食べるようにすると、ボリュームは変わらずにエネルギーを6割弱に抑えることができます。

【芋類比較(100g中)】

 エネルギー(kcal)
長芋・生65
じゃが芋・蒸し84
さつま芋・蒸し134

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【ご飯2杯分とご飯1杯にとろろ芋を加えた場合の比較】

 エネルギー(kcal)
ご飯2杯504
ご飯1杯+とろろ芋1杯291

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●カリウム
カリウムは余分なナトリウムや水分を体外に排泄する働きがあるため、高血圧予防や、むくみによる水太りなどを解消してくれます。ゆでると水とともに流れてしまうため、生で食べる方がカリウムをより多くとることができます。カリウムを多く含む野菜のキャベツと比較すると、長芋小鉢1杯分で、キャベツ2.5枚分と同等の量がとれます。
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おすすめレシピ

長芋はすることで粘りが増し、また胃腸に優しい酵素もとりたいこの時季にはとろろとして食べるのがおすすめです。他のネバネバ食材と合わせて様々な料理に合う万能なとろろソースをご紹介します。

●とろろソース

【材料】(2人前)
・長芋 ・・・100g(長さ5cm程度)
・めかぶ ・・・1/2パック(約20g)
・なめこ ・・・1/4パック(約25g) ※水煮缶でも可
・青じそ ・・・1枚
・ごま油 ・・大さじ1
・ポン酢 ・・・大さじ1
・塩 ・・・少々

【作り方】
1.なめこは軽く水で洗い、沸騰した鍋に入れてさっとゆでます。
2.ゆでたなめこ、めかぶ、青じそは細かくみじん切りにし、長芋はすり鉢ですっておきます。
  ※長芋のひげ根や皮が気になる場合は、皮をむいてからすってください。
3.ボウルに、ごま油、ポン酢、塩を混ぜ合わせます。
4.3に2を加えて混ぜ合わせたら完成です。

※長芋の処理で手がかゆくなる場合は、冷凍庫で凍らせてから使うとかゆみが少なくなります。

【とろろソースの活用方法】
●野菜サラダに追加%e3%82%b5%e3%83%a9%e3%83%80%e5%86%99%e7%9c%9f
ドレッシング代わりに使うと、オイル入りドレッシングの1/3程度にエネルギーが抑えられます。また、このとろろソースに含まれている芋、海藻、きのこ類がプラスされることで栄養価がアップするだけでなく、サラダの材料は同じでもいつもとは違ったちょっと風変わりなサラダとして楽しめます。

●肉料理や揚げ物料理にかける%e8%82%89%e5%86%99%e7%9c%9f
脂が多く消化しづらい肉料理や揚げ物料理も長芋と一緒にとることで消化を助け、さらに青じそやポン酢を用いているため、さっぱりといただけます。