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栄養コラム

モッツァレラチーズ

No.155

2016年11月1日

管理栄養士 田原 佳奈

牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を食べる習慣はありますか?子供の頃は給食で習慣的にとっていたと思いますが、その時期を過ぎると摂取量が少なくなっているのが現状です。そこで、11月11日のチーズの日にちなみ、今回はモッツァレラチーズについてご紹介します。チーズの歴史は古く、世界でも最古の加工食品と言われ、昔からたんぱく質、カルシウム源として活用されていました。今では様々な種類のチーズが食べられていますが、その中でもモッツァレラチーズは手軽に食事などへ活用でき、食べやすいのでおすすめです。

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最近の乳製品摂取量

わが国において主な栄養素の目標摂取量がほぼ満たされているなか、カルシウムだけが目標量に満たない状況が続いています。そこで厚生労働省発表の健康日本21では、カルシウムに富む食品の摂取量増加を目指し、1日当たりの牛乳・乳製品平均摂取量130g以上を目標としています。しかし、最新の乳製品摂取量(平成26年国民健康・栄養調査)をみると、20歳以上の平均摂取量は101gと目標量に満たず、さらに20~60代までの働く世代の摂取量は100gを下回っており、摂取不足であることがわかります。カルシウムは骨や歯の形成に不可欠ですが、それ以外にも出血を止めたり、神経の働きや筋肉運動など、生命の維持や活動に重要な役割をしているため、しっかり摂取したい栄養素です。乳製品も様々ありますが、チーズは少量で効率よくカルシウムを摂取することができ、またいろいろな食材や料理に手軽に加えられるのでおすすめです。

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(平成26年国民健康・栄養調査より)


モッツァレラチーズとは

モッツァレラチーズはイタリア原産のチーズで、チーズの中でもフレッシュタイプと呼ばれるナチュラルチーズの一つです。「モッツァレラ」はイタリア語で『ちぎる』と言う意味なのだ%e3%81%a8%e3%81%afそうで、最終的に丸型にしてちぎって成形します。フレッシュタイプの中でも発酵や熟成を行わないため保存性は高くないですが、他のチーズよりチーズ感が少ないのでチーズ嫌いな方でも食べやすいチーズです。味はミルクの味が強くて癖が少なく、そのまま食べると弾力のある食感が特徴的ですが、加熱するととろけて糸がとても長くひくほど柔らかく、クリーミーな味わいが増して違った味わいが楽しめます。原料となる乳は元々水牛が使われていましたが、最近では牛乳から作られるものも多くなり、国内で製造されるナチュラルチーズの中では一番多く製造されているそうで、スーパーでもよくみかけ、手軽に購入できるようになりました。


モッツァレラチーズの栄養

乳製品は様々な栄養が含まれる高栄養食品。成長に必要な栄養素の補給や低栄養状態の解消など子供から高齢者まですべての年代で活用していただきたい食品です。

【その1】カルシウム源となる%e3%82%ab%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%82%a6%e3%83%a0
カルシウムは骨や歯の形成や血液中にも少量含まれ、体の重要な機能を担っています。乳製品にはカルシウムが多く含まれ、他のカルシウム供給源である、魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類などよりも利用効率が高いと言われています。

  モッツァレラチーズ18g(6Pチーズ1個程度のサイズ)=しらす大さじ2(10g)
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【その2】たんぱく質源となる%e7%ad%8b%e5%8a%9b
体を作る上で欠かせない栄養素であるたんぱく質ですが、最近では摂取量が低下ぎみです。極端な食事制限や、食欲が落ちてしまう高齢者ではたんぱく質の摂取が減ることにより、筋肉量の低下、やせやサルコペニアなどの運動器障害への影響が考えられます。チーズは生乳のたんぱく質を凝集させて作られているので、牛乳と比べると少量でも多くのたんぱく質を多く含みます。

  モッツァレラチーズ18g(6Pチーズ1個程度のサイズ)=牛乳コップ1杯
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【その3】他のチーズに比べて低脂質
チーズは種類によって豚バラ肉と同じくらいの脂質を含んでいるものあり、カロリーが高い、脂質が多いと敬遠されることもありますが、モッツァレラチーズはよく食べられているプロセスチーズと比べると低脂質です。ただし、低脂質でも摂り過ぎると脂質過剰となりますので注意しましょう。

【その4】低塩分である
チーズは高塩分のものが多いですが、モッツァレラチーズの塩分はプロセスチーズの約10分の1しかありません。塩分摂取量は多くなりがちですので、調節して食べられるのでおすすめです。


活用方法

もともとチーズは1回に使う量が少なく、特にモッツァレラチーズは保存性が低いのが難点ですが、使い方次第で1パックを2~3日で使用できます。またモッツァレラチーズは新鮮なうちに早めに食べることがおすすめです。

○メインディッシュに・・・フライパンで肉や魚、卵を焼くときに一緒に焼いてみましょう。

○サイドディッシュに・・・つまむと簡単にちぎれるので包丁を使わずに手軽にすぐに使えます。サラダやスープなどに追加してみましょう。

○デザートに・・・スライスして果物、はちみつやジャムなどと一緒に食べるとケーキなどより低カロリーなデザートです。


おすすめレシピ

モッツァレラチーズを使っていつもの和風料理をアレンジしたサイドディッシュをご紹介します。チーズに含まれるカルシウムの吸収を良くするビタミンDを補うきのこと、旬の長ねぎを組み合わせました。味付けは和風ですが、モッツァレラチーズを加えることで、ちょっと洋風に風変わりします。とろけたチーズがアツアツを保ち、これからの寒いシーズンにおすすめのメニューです。

●長ネギとまいたけの和風モッツアレラチーズ焼き

【材料】(2人前)

・長ねぎ・・・1/2本(50g)20160
・まいたけ・・・80g
・モッツァレラチーズ・・・50g
・酒・・・大さじ1
・みりん・・・小さじ1
・砂糖・・・小さじ1
・醤油・・・小さじ1
・油・・・炒め用
・のり、万能ねぎ・・・トッピング用

【作り方】

1.長ねぎは1~2cmの斜めスライス、まいたけは適当な大きさに切り分けます。
2.フライパンに油をしき、長ねぎとまいたけをさっと炒め、調味料で味付けします。
3.ココットに2.をいれ、スライスしたモッツァレラチーズをのせ、トースターで3分焼きます。
4.チーズがとけたらお好みでのり、万能ねぎをかけて出来上がりです。

※きのこはエリンギ、しめじ、しいたけなどお好きな種類を使用してください。
※トッピングはお好みでおかかやごま、しらすなどをかけても美味しくいただけます。
※モッツァレラチーズもまいたけも旨みの多い材料なので、炒めるときに味をつけず、出来上がった後にしょうゆやポン酢をかけるだけでも味が整います。