ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

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栄養コラム

冷え性対策

No.22

2004年11月1日

管理栄養士 杉田 恭子

肌寒い日が増えてきて、冬の訪れを感じるようになってまいりました。秋から、冬にかけては紅葉などで景色も美しく、美味しい食べ物もたくさん増えてきて楽しみな季節でもありますが、冷え性に悩んでいらっしゃる方にはこれからが辛い季節かもしれません。そこで今回は少しでも冷えを改善できるような「冷え性対策」についてご紹介致します。


冷え性の原因

○ エネルギー不足
人間の体は食べたものを燃焼させてエネルギーを発生させ体温を保っています。したがって、ダイエット中など、食べ物を控え気味にしている場合、体は燃料不足になりエネルギーも不足しますので、冷えやすくなります。まずは、3食きちんと食べることが重要です。特に、朝食は体を目覚めさせ、代謝を高め、体温を上げる役割があります。朝食を欠食すると、体温が上がらず冷えの原因となります。朝は忙しい時間帯ですが、牛乳1杯、バナナ1本、おにぎり1個程度でも食べる習慣をつけましょう。

○ ドロドロ血液
血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂分が多い状態、最近よく言われている「ドロドロ血液」は、手足の毛細血管をはじめとして、全身の血流が悪くなることにより、冷えやすくなります。

○ 貧血
体中に酸素を送り届ける赤血球や、その構成成分のヘモグロビンが少ないhinnketu
状態ですので、各器官に送られる酸素濃度が薄く、細胞での栄養の燃焼が
不完全になり、全身を効率よく温めにくくなります。 

○ 低血圧
心臓から全身に血液を送り出す圧力が弱い状態ですので、末梢の血管まで
十分に血液が行き渡らず、手足などの冷えにつながります。

○ 運動不足
全身に行き渡った血液は、筋肉のポンプにより心臓に戻されますが、unndou運動不足により筋肉が衰えますと心臓に血液を戻すポンプの力が弱まります。それによって、末梢では心臓に戻れなかった血液が滞ってしまい、血行不良となります。

以上のように冷えの原因には様々なものがあります。当てはまる項目は
改善できるように努めましょう。さらに食べるものを工夫することで、
冷え性改善の効果が高まります


体を温めて冷えを解消する食事のポイントをご紹介致します。

①体を温める食べ物と冷やす食べ物
東洋医学では、食材を大きく2つに分けていて、体を内側から冷やす陰性の食べ物(寒涼食)と、体を内側から温める陽性の食べ物(温熱食)に分類しています。
体を温める食べ物をうまく食事にとり入れるとよろしいでしょう。

<体を温める食べ物>
温熱食(例)
・にんじん・かぼちゃ・ニラ・たまねぎtamanegi kabotya niku
・ピーマン・ごぼう・しょうが・わさび
・栗・あんず・ドライフルーツ・牛肉
・鶏肉・秋刀魚・梅・鮭・うなぎ・かつおなど

<体を冷やしやすい食べ物>
寒涼食(例)
・トマト・きゅうり・なす・レタス・セロリretasu tomato kyuuri
・もやし・アスパラガス・たけのこ・スイカ
・キウイ・なし・柿・豆腐・こんにゃく
・枝豆・あさり・しじみ・牡蠣など

②体を温める調理方法・料理
①でご紹介した寒涼食にも体にとって必要な栄養素が含まれています。寒涼食であっても火を使って調理することで体を温める料理になります。例えば、スープ類、煮込み料理、蒸し物など。出来上がった料理はアツアツのうちに食べましょう。

③香辛料の活用
とうがらし、にんにく、こしょう、さんしょう、わさびなどの
tougarasi ninniku香辛料には体温を高める働きがあります。これらを用いて調理して頂くのもおすすめです。


体を温めるおすすめごはん

~鮭としらすのしょうが風味ご飯~
【材料】2合分
米・・・・・・・・・・ 2合
塩鮭・・・・・・・・ 1切れ
しらす干し・・・ 20g
しょうが・・・・・ 50g(お好みで)
しその葉・・・・・ 適量(お好みで)
酒・・・・・・・・・・・ 大さじ1


【作り方】
1. 米は洗って水気をきっておきます。
2. しょうがは皮をむいてせん切りにしておきます。
3. 塩鮭はあらかじめ焼いておき、身をほぐしておきます。
4. しその葉は洗って千切りにしておきます。
5. 炊飯器に1.2.としらす干し、酒を入れ、ご飯を炊きます。
6. 炊き上がったら、3.を混ぜ合わせ、盛り付け後4.を散らして出来上がりです。

※鮭の塩気が足りない場合は、お好みで塩を加えて炊いて頂くとよろしいでしょう。