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栄養コラム

いちご

No.55

2008年3月3日

国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者(NR) 健康運動指導士 管理栄養士 須藤 律子

いちごは毎年のように新品種が登場し、種類が豊富になりました。
最近のいちごは色が鮮やかで形もよく、甘み、酸味、香りなどのバランスが良い美味しい品種が増えています。
かつては春から初夏の果実でしたが、現在は促成栽培や品種の改良などにより通年出回るようになりました。とはいっても品質や味的にお勧めなのは、冬場の12月から3月あたり。
いちごが美味しいこの時期限定の様々な「季節限定スイーツ」が楽しめるのも今です。例えばある老舗のフルーツパーラーには、この期間中そのときそのときで一番美味しい種類のいちごが使われた、スペシャルな「いちごパフェ」があります。思わず何度も食べたくなってしまいますね。
今回はこの時期お勧め、早春を感じる甘酸っぱいいちごがテーマです。

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いちごの栄養的魅力♪

可愛らしいいちごですが、栄養的にもこんなに魅力があります。

●ビタミンC
いちごはビタミンCが豊富なのはご存知の方も多いはず。vitamin-c
中ぐらいのサイズのもので約8個、大きめのものなら約4個でビタミンC1日分の推奨量がとれます。
ビタミンCは免疫を高めて風邪予防や、新陳代謝を高めて肌のトラブルなどに有効です。また歯茎や血管を丈夫にしたり、鉄分の吸収をよくして貧血を予防するなど働きは様々です。
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●低カロリー
いちごは果物の中では低カロリー。例えば前述の1日分のビタミンCがとれる量のいちごのカロリーは54kcalですが、同じビタミンC量をみかんでとると130kcalになり、いちごの2倍以上になります。ugoku-ichigo
また同様にこのいちごのカロリーをお菓子と比較すると、大福なら1/5個分、チョコレートなら2かけ分です。ずいぶん低カロリーに抑えられますよね。ダイエット中ならお菓子の代わりにいちごを楽しみましょう。

●食物繊維
いちごには血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑制するペクチンという食物繊維が多く含まれています。
例えばいちごの食物繊維量は、みかんやグレープフルーツの倍量になります。また野菜と比較しても、大きめのいちご2個分できゅうり約1本分の食物繊維量になります。意外に食物繊維量が多いのも嬉しいところ。

●葉酸
葉酸は貧血を予防したり、動脈硬化を予防し、冠動脈性心疾患、脳卒中、末梢血管疾患などの発症リスクを低減します。また妊娠中に葉酸が不足すると胎児の脳神経発達に障害が出るなど、近年葉酸の重要性が注目されています。
果物の中でもいちごには葉酸が多く含まれています。前述のビタミンC1日分がとれる分量のいちごをとると、葉酸1日分推奨量の6割がとれることになります。葉酸を多く含むほうれん草と比較しても、ほうれん草お浸し小鉢1つ分の葉酸がとれます。

●抗酸化成分
体内の酸化を予防することが慢性疾患の予防に関連すると考えられています。
いちごには栄養素以外にも、フラボノイド、アントシアニン、エラグ酸、その他のフェノール酸などの抗酸化成分が多く含まれています。
抗酸化力を測定したある試験においては、調査した17種類の果物や果汁のうちでいちごの抗酸化力が最も大きく、リンゴやバナナの7倍、オレンジやグレープフルーツの2倍あったという報告があります。


いちごで虫歯も予防!?

意外と知られていないのが、いちごには“キシリトール”が含まれているということ。
キシリトールといえば、「歯の健康維持に役立つ食品」として特定保健食品として認められ、ガムや飴などの食品に利用されている天然素材の甘味料です。最近では虫歯を予防するためという事で、食後にキシリトール入りのガムを噛むよう指導されることもあるようです。haita
虫歯予防につながるキシリトールがたくさん含まれているいちごは、歯の健康にも一役買ってくれるというわけです。


いちごを美味しく食べるには・・・

●保存
買ってきたら、いたみをチェックし、いたんだものは出しておきましょう。重ねるといたみやすいので、重ねないようにへたの方を下にして浅めのパッドに移し変えると良いでしょう。
その際に乾燥を防ぐためにふたやラップをしましょう。
またへたを取るとそこから水分が蒸発し、いたみやすくなるのでへたはつけたままにしておきます。

●水洗い
洗ったり、水につけたりすると果皮が弱り、かびや腐敗の原因となりやすいので、食べる直前に洗うことがお勧めです。
またへたをとって水洗いをすると水っぽくなったり、ビタミンCが流れてしまうのでへたをとらずに洗いましょう。

●冷凍保存
すぐに食べないときや、大量に手に入った場合には、冷凍保存しておくと良いでしょう。
冷凍保存する際にはよく洗ってへたをとり、水気をふきとったあと、砂糖をまぶして、密閉容器やファスナー付きのビニール袋に入れて冷凍します。
また、ピューレ状にしたり、煮てソースやジャムにしても冷凍できます。


いちごのレシピ

たっぷりといちごを使った簡単なゼリーの作り方をご紹介します。ピューレ状にすることで、いちごの香りが一層引き立つ、春らしいピンクのデザートです。

●プルプルいちごのミルクゼリー● resipi-ugoku-ichigo_zeri
【材料】4個分
・いちご1/2パック(約150g)
・砂糖35~40g
・レモン汁大さじ1/2
・粉ゼラチン5g
・水75g
・生クリーム50ml(牛乳でも結構です)

【作り方】 
①いちごは洗ってへたを取り、ボールに砂糖、レモン汁と一緒に合わせておきます。
②分量の水にゼラチンを振り入れ、レンジ(500W)に約1分かけます。
 *各ご家庭のレンジに合わせて、沸騰させないように加減してください。
③①をフードプロセッサーでピューレ状にします。
④③をボールに移し、②のゼラチンを加えます。
⑤氷で冷やしながら泡が入らないようにゆっくりかき混ぜます。
⑥⑤に生クリームを加え混ぜ、器に注ぎ、冷蔵庫で30分冷やして出来上がりです。

※飾り用にいちごやミントの葉を添えたり、泡立てた生クリームでデコレーションすると、目にも鮮やかな感じになります。