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栄養コラム

電子レンジ調理法

No.73

2009年9月1日

国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者(NR) 管理栄養士 杉田 恭子

最近では、共働きの夫婦が増えたこともあり、食事方法が多様化しています。外食中心の方、出来合いのお惣菜を購入する方、平日は時間がないので、週末にまとめて料理を作っておく方も多いのではないでしょうか。
忙しい方の食事に欠かせないのが「電子レンジ」!冷めたお惣菜もワンタッチで簡単においしくなります。
最近では電子レンジの使い方も多種多様となり、単に出来合いの料理や冷凍食品を温めるだけではなく、電子レンジを「調理器具」の一部として使うことも多くなりました。量販店などの台所の雑貨コーナーを覗いてみると、電子レンジ専用の調理容器がたくさん並び、電子レンジ調理の注目度が伺えます。
今回は、時間のない時でも便利に作れる電子レンジ調理についてご紹介いたします。
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電子レンジで簡単献立

あるインターネットのショッピングサイトで、「電子レンジ 調理器具」と検索したところ、なんと13,000以上の商品がヒットしました。
調理方法や料理の目的別に商品が揃っていて、電子レンジ調理器具さえあれば、料理が苦手な人でも簡単に主食・主菜・副菜の揃った栄養バランスのとれた理想的な食事をつくることができます。
主食・主菜・副菜別に電子レンジ調理のおすすめポイントをご紹介いたします。

米、パスタ、インスタントラーメンなどと水を専用の容器に入れ電子レンジにかけるだけで出来上がり。
●主食編(ご飯、パン、麺類など)
          米                            ⇒ご飯(約15分)
          パスタ(乾)                   +      水         ⇒レンジ  ⇒ゆでパスタ(約10分)
          インスタントラーメン(乾)                                     ⇒ラーメン(約6分)
                    rice_4          spa_meat_          ramen3

米、パスタ、インスタントラーメンなどと水を専用の容器に入れ電子レンジにかけるだけで出来上がり。
パスタやラーメンを普通に茹でる場合の水が沸騰するまでの時間も考えると、電子レンジの調理時間は魅力的です。
また、1人分のご飯でもおいしく炊くことができるので、一人暮らしの人にもぴったりです。


●主菜編(魚、肉、卵などメインの料理)
     牛ステーキ肉                   ⇒ステーキ
     サンマ     ⇒専用容器     ⇒レンジ     ⇒サンマ塩焼き
     溶き卵                      ⇒スクランブルエッグ
                       steak1      wa_sanma       egg

専用容器を使えば、煮込み料理、蒸し料理はもちろんのこと、何と焼き料理、炒め料理までできてしまいます。
専用容器が電子レンジのマイクロ波を吸収して、容器が発熱、遠赤外線も発生させることで焼けるそうです。
これなら、コンロの汚れや煙が気になる焼き魚や肉料理でも簡単に作れそうですね。


●副菜編(野菜などの料理)
     野菜                         ⇒温野菜
     野菜+調味料     ⇒専用容器    ⇒レンジ   ⇒煮物
     野菜+肉+スープ                   ⇒ポトフ
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じゃがいも、かぼちゃなど火が通りにくい野菜でも短時間で蒸し物や煮物など料理できます。
また、野菜にはビタミン類が豊富に含まれていますが、加熱により壊れてしまったり、水に溶け出してしまうビタミンが多いといえます。野菜を電子レンジで調理すると、あまり水分を使わずに短時間で調理ができるため、ビタミンを損ないにくいといううれしい効果があります。短時間で作れて、栄養も丸ごととれると、まさによいことづくめですね!


食材下準備の注意点

電子レンジ調理をする場合、食材の下準備に若干の注意が必要です。下準備を怠ると、おいしく出来上がらなかったり、食材の爆発などの危険もあります。

・食材の大きさをそろえる
 大きさや厚さの違う食材をレンジにかけると、加熱具合にムラが出てしまいます。食材を均一に加熱するために、食材は同じような大きさにカットし、肉などはできるだけ重ならないように平に並べて電子レンジにかけるようにしましょう。

・切り込みを入れる
 肉などは火の通りを良くするために、また、ソーセージや丸ごとの魚など、皮がついているものは加熱で中身が膨張して破裂することを防ぐために、包丁で何か所か切り込みを入れておきましょう。

・穴をあける
 オクラ、タラコ、卵の黄身など、中が空洞であったり、薄い皮で覆われているものも加熱による破裂の恐れがあります。竹串などで数か所穴をあけておきましょう。


調理時の注意点

食材の下準備以外にも、電子レンジを使う時の注意事項があります。

・容器に書かれている注意事項を必ず守る 
 容器によって、使える食材、使えない食材がある場合があります。また、料理ごとの加熱時間なども決められています。これらの注意事項を守らない場合、思わぬ事故につながる可能性がありますので必ず注意事項を守りましょう。

・やけどに注意する
 電子レンジの調理完了後は容器が非常に熱くなっていることがあります。レンジから取り出すときは、鍋つかみなどを利用し、やけどに十分にご注意ください。
 また、油を多く使っている料理は、レンジ加熱後は非常に高温になっていることがありますので特に注意が必要です。

・飲み物や水分の多い料理に注意する
 飲み物や水分の多い料理や汁物は、突然、爆発的に沸騰(突沸)することがありますので、温め過ぎに注意が必要です。突沸は、レンジ加熱中だけでなく、加熱終了後に器に振動などの刺激が加わった拍子に起こることもあります。
 加熱時は一気に加熱するのではなく、様子を見ながら加熱するようにし、加熱しすぎたかなと思った場合は、すぐにレンジから取り出さず、しばらく置いてから取り出すようにしましょう。


誰でも簡単おすすめレシピ

●簡単カレーライス●
某野球選手が毎朝食べていることで最近注目されているカレーライス!
でも、カレーと言えば、大きな鍋でじっくり煮込んで…。自分1人分のためだけに、時間をかけて作ってなんかいられない!という方も多いのではないでしょうか。
そんなカレーも電子レンジを使えば、時間のない朝であってもあっという間に作ることができます。夏の疲れが出始めるこの時期、スパイスの効いたカレーで疲れを吹き飛ばしましょう!fe_curry

【材料】(1人分)
・薄切り肉(豚・牛など) 30g
・玉ねぎ         1/4個 
・じゃがいも       1/2個
・にんじん        1/4本
・水           1/2カップ
※ルーによって異なるのでそれぞれの作り方記載の水分量をご確認ください      curry-ru
・カレールウ       1人分   

【作り方】
① 薄切り肉は、軽く塩、こしょうを振っておきます。大きいようであれば、食べやすい
  大きさに切っておきます。
② 玉ねぎは薄切り、じゃがいも、にんじんは1cm角に切ります。
③ カレールウも細かく切っておきます。
④ 耐熱容器に先に野菜類を入れ、その上に肉を重ねないように乗せ、水とカレールウを
  加えます。(カレールーは水に浸るようにしてください)
⑤ フタまたはラップをかけ600Wで8分程度電子レンジにかけます。rap2
⑥ 電子レンジから取り出して、よくかき混ぜます。まぜることでとろみが
  出てきます。具に火が通っているようであれば出来上がり!

※電子レンジでの加熱時間は、様子をみて調節してください。
※お好みで牛乳や生クリーム、トマトジュース、赤ワインなどをスプーン1,2杯程加えると
 コクがでます。