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栄養コラム

いちご

No.267

2026年3月2日

管理栄養士 豊泉友加里

春の訪れとともに店頭に並び始める「いちご」。
3月はいちごの旬のピークで、各地でいちご狩りも楽しめる季節です。
また、この時期のいちごは、甘みと酸味のバランスがよく、品質も安定しています。
今回は、いちごの歴史や種類、栄養的特徴についてご紹介します。


歴史

いちごはバラ科の植物で、日本で一般的に食べられているものは「オランダいちご」と呼ばれる品種です。
日本には江戸時代末期に伝わり、明治時代以降に本格的な栽培が始まりました。現在では品種改良が進み、甘みが強く大粒のものや、香りを重視したものなど、さまざまな特徴をもつ品種が登場しています。


主な種類

日本で多く流通している代表的な品種を、国内の生産量の多い順にご紹介します。

とちあいか

収穫時期:10月~6月頃
これまで約20年にわたり関東の主力品種として親しまれてきた「とちおとめ」に代わる新品種です。出荷量は年々増加しており、2025年には栃木県内の作付面積の8割以上を占めるまでに広がりました。
「とちおとめ」と比べて甘みが強く、酸味が控えめなのが特長です。
果汁もたっぷりで、ジューシーな味わいが楽しめます。さらに、縦にカットすると断面がハート形に見えるのも魅力のひとつです。

あまおう

収穫時期: 11月〜5月頃、ピークは3〜4月
福岡県でのみ生産されているブランド品種です。サイズが大きく丸みがあり、「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字が名前の由来です。
酸味は穏やかで甘みが強く、食べごたえのある味わいが特徴です。

紅ほっぺ

収穫時期: 12月~5月頃、ピークは3月頃
静岡県や愛知県を中心に生産されています。果肉の中まで赤く、甘みが強く、適度な酸味もあり、味が濃いのが特徴です。

地域によって味わいや形状が異なるため、食べ比べも楽しみのひとつです。


栄養的特長

いちごは果物の中ではエネルギーが比較的低く、100gあたり約30~35kcal程度と控えめ。
間食としても取り入れやすい果物です。ビタミンCや食物繊維、葉酸を含み、不足しやすい栄養素を取り入れられるのも特徴です。

低エネルギー、低糖質  

いちごは栄養価が高い上にエネルギーが少ないのがポイントです。
100gあたりで比較するとみかんやりんごよりも少なく、バナナの1/3のエネルギー量になります。さらに糖質量も他の果物と比べて少ないため、糖質を控えたい方にも取り入れやすい果物です。


ビタミンC

ビタミンCはストレスや喫煙などにより体内で消耗しやすく、また野菜や果物の摂取不足によって不足しやすい栄養素です。特に冬場は果物や生野菜の摂取量が減りやすく、さらに不足につながることがあります。

いちごの最大の特徴は、ビタミンCが非常に豊富なことです。100g(約5~6粒)で1日に必要なビタミンC100mgの約半分以上を摂取できます。


食物繊維

いちごには100gあたり約1.4gの食物繊維が含まれています。
果物の中で食物繊維が多いイメージのあるバナナ(100gあたり約1.1g)よりも、やや多く含まれています。

その中でも、水溶性食物繊維であるペクチンが豊富です。
ペクチンは、糖や脂質の吸収を穏やかにする働きがあり、食後血糖値の上昇を緩やかにすることや、LDLコレステロールの低下を助けることが期待されています。さらに、腸内環境を整える働きもある成分です。


葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成や細胞の増殖に関わる重要な栄養素です。不足すると貧血の原因になることがあります。
いちごには100gあたり約90µgの葉酸が含まれ、果物の中では比較的多く含まれるため葉酸を手軽に摂取できる果物の一つです。


選び方のポイント

いちごを選ぶときは、色・ヘタ・種・形の4つのポイントを確認しましょう。

まず【色】は、全体にツヤがあり、ヘタの近くまでしっかり赤く色づいているものがおすすめです。白っぽい部分が残っているものよりも、均一に赤いほうが完熟しています。
次に【ヘタ】は、反り返っていて濃い緑色をしているものが新鮮な証拠です。しおれていたり、茶色っぽくなっているものは収穫から時間が経っている可能性があります。
また、表面の【種】がまんべんなく全体についており、果肉にしっかり張りがあるものが良品です。【形】は、左右対称でふっくらとし、なるべく大きく、整った形を選びましょう。


これらのポイントを押さえることで、甘みがあり新鮮ないちごを選ぶことができます。


食べ方のポイント

いちごの甘味を際立たせる食べ方を紹介します。

食べる直前、ヘタを取る前にサッと洗う

いちごは表面がとても弱く、触るだけでも傷みやすくなるため、食べる直前に食べる分だけサッと水洗いしましょう。また、ヘタを取ってから洗うと、切り口から水が入り、水っぽくなりやすい上にビタミンCなどの栄養素も流れやすくなります。ヘタのついたまま洗うことがポイントです。

食べる30分ほど前に冷蔵庫から出しておく

いちごに含まれる果糖は冷やすと甘くなる性質があります。
ただ、果肉の中まで冷やし過ぎると舌が甘みを感じにくくなるため、食べる30分前に冷蔵庫から出しておくのがおすすめです。

ヘタがついている方から食べる

ヘタから先端になるにつれて甘さが強くなります。
食べ始めはなるべくヘタの方から、最後に先端を食べるようにすると甘味を感じやすくなります。


食べる際の注意点

食べ過ぎに注意 

いちごは100gあたり約30~35kcalと低エネルギーで、間食にも取り入れやすい果物です。
ただ、一度に多く食べてしまうとお腹がはったり、糖質の摂り過ぎにつながることがあります。
1日100~150g(中粒で6~10粒程度)を目安にしましょう。

アレルギー反応に注意

いちごは比較的アレルギーを起こしにくい果物とされていますが、体質によっては、口の中や唇がピリピリしたり、かゆみやじんましん、喉の違和感などの症状が出ることがあります。
特に一度に多量に食べた場合に症状が出やすくなることもあるため、違和感がある場合は摂取を控えましょう。

いちご狩りではつい食べ過ぎてしまいがちです。合間に水分を取りながら、適量で楽しむことを心がけましょう。


おすすめレシピ

甘酸っぱいいちごの風味をそのまま楽しめる、春にぴったりの手作りいちごゼリーです。
材料や作り方をアレンジすることで様々なバリエーションも楽しめ、見た目も華やかでおもてなしや季節のデザートにもおすすめです

いちごのゼリー

【材料(2個分)】
・いちご    100g(7~8粒)
・砂糖     大さじ1
・水      100ml
・粉ゼラチン  小さじ1(2.5g)
・レモン汁   大さじ1

【作り方】
1. 小さな器に大さじ1の水(分量外)を入れ、粉ゼラチンを振り入れて5分ほどふやかします。
2. いちごはヘタを取る前にサッと洗い、ヘタを取って半分に切っておきます。
3. 鍋に水100mlと砂糖を入れて加熱し、砂糖を溶かします。
火を止め、ふやかしたゼラチン、レモン汁を加えてよく溶かし、
鍋底に氷水を当てながら粗熱が冷めるまで混ぜます。
4. 2のいちごを器に並べ、3を流し入れ、冷蔵庫で2~3時間冷やして完成です。

【アレンジ】
・水の代わりに牛乳や豆乳を使用すると、まろやかな味わいに仕上がります。
いちごゼリーと牛乳ゼリーで二層にすると見た目も華やかになります。
・いちごの半量をつぶして食感の違いを変えることもおすすめです。
・完成したゼリーをスプーンで崩し炭酸水と合わせると、さっぱりとしたフルーツポンチ風になります。