先月、東京から一番近い島といわれる「伊豆大島」へ行ってきました。大自然の中でゆったりとした時間を過ごすことができ、おいしい海の幸もたくさん食べることができました。 今回は、伊豆大島の食情報をお伝えします。
伊豆大島とは
東京から最も近い島で120km南の洋上にあり、島一周を車で回ると1時間半程度の小さな島ですが、伊豆諸島の中では最も大きい島です。伊豆大島は、三原山を中心とした火山島であり、まわりは海で囲まれているため、潮の流れの影響を受けて1年を通して気温差が小さく、東京より夏は涼しい、冬はやや暖かい温暖多湿で、雨風が多い気候です。島の海岸線は釣りができる場所がほとんどで、磯から砂浜、堤防などで釣りをしている人がたくさんいました。
伊豆大島の特産物
自然が多く、海で囲まれている伊豆大島には様々な特産物がありましたが、今回私が食べてきた中でおすすめの特産物をご紹介します。
●べっこう
伊豆諸島の郷土料理のひとつで、主に白身魚の切り身を「べっこう醤油」と呼ばれるピリ辛の調味料に漬け込んだお刺身のことです。べっこう醤油は醤油に島唐辛子を漬けてつくられているため、辛みがあります。お刺身やお寿司を食べるときにはわさびではなく、べっこう醤油のみで食べることが多いそうです。私は、真鯛のべっこうを酢飯に乗せた「べっこう丼」を食べました。唐辛子のほどよい辛味が酢飯とよく合い、食欲をそそるどんぶりでした。
●とびうお
とびうおのほとんどが温暖海域の海面付近を泳いでいるため、
伊豆大島ではとびうおの好漁場となっています。初夏~夏が旬で、全長30~40cmくらいの白身魚で、淡白な味わいです。伊豆大島では、生でお刺身として食べたり、保存食としてくさやにして食べたりしています。私はべっこう漬けされたお刺身を食べました。とびうおは水上に飛び出して海面すれすれを300-400mも滑空する魚なので、身はとてもしまっていてコシがあり、味は鯛などの白身魚と同じように淡白
ですが、特に脂肪が少ないためか甘味を強く感じました。
●明日葉
摘み取った翌日にはもう芽が生えてくると言われるほどの生命力の強い明日葉は、暖かくほどよく日光が当たり、雨が多く降る地域でよく育ちます。 伊豆大島は、一年を通して温暖で雨が多いため明日葉の生育に最適な環境です。土には火山灰が混じっていることから、雨が降っても水はけがよいので根腐りすることがなく、山地帯の湿地に生育する「ヤシャブシの木(ハンノキ)」が夏場の強い日差しから明日葉を守り、秋冬には落ち葉が明日葉の肥料となるため、
明日葉がよく育ちます。明日葉は苦味があるのが特徴ですが、大島
では天ぷらやごま和え、お浸し、漬物など様々な料理でいただきま
したが、ほどよい苦味がどの料理にもよく合いおいしくいただけま
した。
島ならではの料理や食品がたくさんありますが、特に伊豆大島では、旅館やお店などの料理に明日葉が使われていることが多く、私も旅行中は明日葉をほぼ毎食食べており、伊豆大島では欠かせない食品のように感じました。
明日葉の栄養
明日葉は青汁やお茶などの商品としても多く売られており、ビタミン、ミネラル、食物繊維などバランスよく栄養が含まれています。中でも緑黄色野菜に多いβ-カロテンが同じ葉物野菜の中でも最も多く含まれ、ほうれん草と比べると1.3倍も多く含まれています。β-カロテンは、強い抗酸化作用を持ち、動脈硬化や生活習慣病の予防、老化防止などによい成分です。
β-カロテン当量(μg) | |
明日葉 | 5300 |
ほうれん草 | 4200 |
食品100g中(日本食品標準成分表より)
また、骨を作るのに重要な栄養素であるカルシウムも多く含まれ、さらにカルシウムの吸収を高めるビタミンKも多く含まれているため、骨粗鬆症予防にもおすすめの食品です。
カルシウム(mg) | ビタミンK(μg) | |
明日葉 | 65 | 500 |
ほうれん草 | 49 | 270 |
食品100g中(日本食品標準成分表より)
おすすめレシピ
明日葉とビタミンCを多く含む果物を合わせて、さらに抗酸化作用を強化したスムージーをご紹介します。これからの季節は日差しが強くなるので、紫外線による酸化を防ぐおすすめの一品です。
●明日葉グリーンスムージー
【材料】(2人分:約500ml分)
・明日葉 ・・・2本
・バナナ ・・・1本
・オレンジ ・・・1個
・パインアップル ・・・50g(2切れ)
・ブルーベリー ・・・30g(大さじ1.5杯)
・水 ・・・200ml
【作り方】
1.オレンジは皮を剥き、明日葉、バナナ、パインアップル、オレンジを適当な大きさに切り
ます。
※できるだけ細かく切った方がミキサーがよく回り、食品の繊維も残りづらくなります。
2.オレンジ、パインアップル、ブルーベリー、バナナ、明日葉の順にミキサーに入れ、最後に
水を入れます。
3.ミキサーのスイッチを入れ、1分~2分程度回し色が均一になったら、コップに入れて完成で
す。
※ 水分量を多めにするととろみが少なくなるので、好みに合わせて調節しましょう。
※ 水を牛乳や豆乳に変えるとカルシウムやたんぱく質が増え、骨も強くするとてもよい一品と
なります。