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栄養コラム

体の水分

No.186

2019年6月3日

管理栄養士 板橋彩子

だんだんと気候が暖かくなってきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、体の調子はいかがでしょうか。今回は、体の水分についてのお話です。普段水分を意識することは少ないかも知れませんが、体内の適正水分を維持することは体の調子を整えるのにとても大切です。これからやってくる暑い夏に向けて水分管理のポイントをマスターしておきましょう!


体内に含まれる水分

私たちの体は、約50~70%が水分で構成されています。新生児の時は約70%の水分が、加齢にともなって成人では約60%、高齢者では約50%と少しずつ減少していきます。体内に含まれる水分は、血液として栄養成分を全身に送る、尿や汗として不要物を体外に排出する、発汗により体温調節をするなどの働きがあり、生命を維持する上で欠かせません。このように、水分は体内でとても重要な役割を担っており、私たちにとって水分を管理することは、食事を管理する事と同じぐらい大切なことと言えます。


1日の水分の出入り

日常生活において、体内では1日にどのような水分の出入りがあるのか詳しく見てみましょう。

●出入りする水分:成人1人当たりの平均 2,500ml/日
●体に入る水分:食べ物や飲み物からの摂取、体内で生成される水分(代謝水) など
●体から出る水分:発汗による皮膚からの蒸発、呼吸にともなう肺や気道からの蒸発、
          尿や便 など


水分を失いやすい場面

日常生活ではどんな時に水分を失いやすいでしょうか。見落としやすい場面についてご紹介します。

●睡眠中
睡眠中は動いていないので自覚はないものの、皮膚や呼気(吐く息)から知らないうちに蒸発している水分や寝汗により、約500mlもの水分を失うとされています。寝汗をかく量が多ければさらに失う水分は多くなります。

●入浴中
入浴中は体が温まって汗が出ていて、約300~500mlの水分が失われています。したがって、入浴時間が長くなるほど出て行く汗の量も増え、体内の水分が多く失われていきます。

●お酒を飲んだ時
アルコールには利尿作用があるので、お酒を飲むと多くの水分が尿として体の外に出てしまいます。また、アルコールを体内で分解するには水分が必要なため、そこでも水分が使われます。飲酒時は水分をたくさん摂っているように感じますが、実は失う水分も多く注意が必要です。

●体調を崩しているとき
体調を崩し食欲が落ちて食べる量が減ると、食事から摂取する水分量が減ってしまいます。また、下痢や嘔吐などの症状が出た時は多くの水分が出て行き、脱水*を起こしやすくなっています。

*脱水とは体内の水分量が正常以下になった状態を指し、脱水になるとめまいや頭痛、吐き気などの症状が現れます。


水分補給のポイント

体内の水分が不足すると健康にも影響が出ます。水分補給のポイントをおさえ、日頃から水分補給しておくように心がけましょう。

こまめに水分補給を

水分は一度にたくさん飲んでも、大部分は吸収されずに排出されてしまうので、こまめに飲むようにしましょう。「食事の時」や「就寝前」「起床時」、「入浴前」「入浴後」など、生活リズムの中でタイミングを作ると摂りやすくなります。1回コップ1杯、1日7~8回の水分補給が目安です。
水分補給するタイミングとしては、のどが渇く前が理想的ですが、子供は自分で飲むタイミングを判断するのが難しいので、おやつの時間で必ず水分も摂るようにしたり、欲しがった時には飲ませるようにしましょう。また、高齢者はのどの渇きを感じにくくり、そのうえ、食事量や1回あたりの水分摂取量が少なくなりやすいので水分補給の時間や1回に飲む量を決めるなど、計画的に水分補給することが大切です。

水分補給目的に適さない飲料

●炭酸飲料やジュースなどの甘い飲み物
砂糖などの糖分が多く含まれている飲み物を水分補給の目的で利用すると、糖分やカロリーの過剰摂取につながったり、虫歯や血糖値が高い状態が続くなど健康に良くないこともあるため、水分補給のために積極的に飲むものとしてはあまり適していません。甘い飲み物は、気分を変えたい時や楽しみ程度で摂るようにしましょう。

●お酒
アルコールには利尿作用があるので、むしろお酒で摂取した水分より多くの
水分が失われる可能性があります。お酒で水分補給は行わないようにしましょう。

食事も大事な水分補給

1日3食の食事から約1,000mlの水分を摂取しており、欠食せず3食きちんと食べることは、適切な水分補給のために非常に大切です。しかし、例えば水分摂取のために汁物やスープをたくさん摂るようなことは塩分の過剰になるので望ましくありません。食事として水分の多い食品を取り入れたり、調理法を工夫しましょう。食事からの水分摂取のポイントをお伝えします。

<食事例(水分量約1,150ml)
朝食:パン、スクランブルエッグ、サラダ(きゅうり・レタス・トマト)、ヨーグルト
昼食:ごはん、豚肉の生姜焼き(付け合わせ 千切りキャベツ)、パプリカとしめじのマリネ、
   もやしのナムル、キウイフルーツ
夕食:ごはん、焼魚、ひじきの煮物、ほうれん草のお浸し、味噌汁(豆腐・ねぎ)

<献立のポイント>
①水分の少ない食品と多い食品を組み合わせる
パンのような水分が少ない食品が主食の時は、サラダなど水分の多い
生野菜を使ったメニューと組み合わせるようにしましょう。また、食事例の昼食のように生の野菜を添えたり、水分の多いきのこ類やもやしなどの食材を使ったメニューを副菜に取り入れるのも良いです。

②調理方法が偏らないようにする
調理方法のなかでも「炒める」「焼く」は、調理時に食品中の水分が蒸発し
て減りやすいですが、「茹でる」「煮る」「蒸す」は、調理による水分損失は抑えられます。このように、調理方法によって水分量は変わるので、組み合わせる際に偏らないようにしましょう。例えば、食事例の夕食はメインが焼魚なので、副菜は煮物やお浸しなどにして「茹でる」「煮る」といったメニューを組み合わせています。


③果物、ヨーグルト、汁物を1日1品取り入れる
果物やヨーグルトなども水分の多い食品なので、1日1品は取り入れると良いでしょう。食事例では、朝食にヨーグルト、昼食にキウイフルーツ(1個)を入れています。ヨーグルトは飲むヨーグルトや牛乳コップ1杯に変えても良いです。また、果物はバナナ1本、りんご1/2個でも同量程度の水分が取れます。味噌汁やスープのような汁物は、塩分も含んでいるので1日1回程度にしておきましょう。


おすすめレシピ

ラタトゥイユは、フランス南部プロヴァンス地方ニースの郷土料理で、ズッキーニやトマト、なすなどの水分の多い野菜をふんだんに使った料理です。水分が多いので食事からの水分補給に役立つおかずとしておすすめです。温かくても、冷たくしても美味しいので、これからの暑い季節にもさっぱりと食べられます。作り置きもしやすいので、ぜひアレンジメニューもお試しください。

◆ラタトゥイユ

【材料・分量】(4人分)
・ズッキーニ:1本(150g)
・なす:3本(250g)
・たまねぎ:1個(200g)
・パプリカ(黄):1個弱(100g)
・トマト:中2個(400g)
・にんにく:1カケ(10g)
・オリーブオイル:大さじ3杯(36g)
・塩:1~2つまみ(1~2g)
・こしょう:少々
・ローリエ:1~2枚

【野菜の準備】
・ズッキーニ:0.8cmの輪切りにする。
・なす:1cmの輪切りにし、水にさらしてアクを取る。
・たまねぎ:1.5~2.0cm角に切り揃える。
・パプリカ(黄):縦2つに割って種を取り除き、乱切りにする。
・トマト:湯剥きして種を取り除き、1~1.5cmの角切りにする。
・にんにく:皮を剥き、みじん切りにする。

【作り方】
1.鍋にオリーブオイルを敷き、にんにくを加えてから火にかけ焦げないように炒めます。
2.たまねぎ、なす、パプリカ、ズッキーニの順に加え、中火で5分炒めます。
3.トマトを加えさらに5分炒めます。
  ※トマトはトマト缶(1缶)でも代用できます。
4.ローリエの葉を加え、蓋をして弱火で20分程度煮込みます。
5.蓋を取り、軽く混ぜながら2~3分煮ます。ローリエの葉を取り、塩、コショウで味を整え
  て完成です。

【アレンジ】
①ラタトゥイユのピザ風トースト
食パンにオリーブオイルを塗って、ラタトゥイユとチーズを載せ、オーブントースターでチーズがとろけるまで焼きます。焼きあがったら乾燥バジルをふりかければ完成です。手軽にできるので、朝食にもおすすめです。

②ラタトゥイユソースのそうめんカッペリーニ
茹でて冷水でしめたそうめんを、冷やしたラタトゥイユで和えます。この時に、お好みでオリーブオイルを回しかけると香りが高まります。最後に粉チーズをかけて完成です。いつもと違ったそうめんが楽しめます。