ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

TEL. 03-3962-5100

栄養コラム

牡蠣の美味しい季節到来!

No.10

2002年10月28日

管理栄養士 大串 英理子

冬の味覚の一つといえば牡蠣。今の時期は生牡蠣やフライなどで食品売場を牡蠣がにぎわせています。今回は牡蠣のお話をしたいと思います。

< 月に"R"がつくと牡蠣のシーズン >

生で魚介類を食べるのが珍しい欧州でも、牡蠣は生で食べる習慣があります。その欧州では、アルファベットでRのつかない月、つまり5月~8月には牡蠣を食べるなということわざがあります。この時期は、牡蠣の産卵時期となるため身はあまり美味しくないという事と、夏場のため腐敗しやすくなる事からそう言われてきました。夏に旬を迎える岩牡蠣もありますが、日本にも花見を過ぎたら牡蠣食うなということわざがあり、大体の牡蠣は10月から解禁になり、寒くなるにつれグリコーゲンを蓄えて旨味が増し、4月まで市場に出回ります。

lin_056

海のミルク 牡蠣は注目の亜鉛の宝庫

seafd032海のミルクといわれるほど栄養が豊富な牡蠣は、他の貝類やそのほかの食材と比べても飛び抜けて多い栄養素があります。それは今注目のミネラル、亜鉛。亜鉛は、味覚を正常に保つ働きをしたり、たんぱく質の合成に欠かせない栄養素です。

 概量正味重量亜鉛
牡蠣5個50g6.6mg
あさり10個40g0.4mg
いわし1尾50g0.6mg
牛もも肉薄切り2~3枚50g2.3mg
1個50g0.7mg

他にも貧血予防に効果がある「鉄、銅、ビタミンB12」や、血圧の調整、肝臓を丈夫にするなどの働きがのある「タウリン」が含まれ、お子さまからお年寄りまで幅広い方にお勧めしたい食材です。

nabe
「生食用」「加熱用」どっちを選ぶ?

牡蠣といえば生で食べても、フライや鍋など火を通しても美味しいですよね。さて、皆さんが牡蠣を購入する際、「生食用」「加熱用」どちらを選んでいますか?「生食用」の方が新鮮と思い込んで、生で食べるときも、加熱する時も「生食用」の牡蠣を使っていませんか?これらの違いはパック詰めする前の加工の違いです。「生食用」は生で食べられるように洗浄しているので、その分少し旨味が逃げてしまっています。加熱をしっかりするものならば「加熱用」の牡蠣がお勧めです。ただし、表面だけ火入れて、中身は生のままで味わいたい場合には「生食用」が良いでしょう。