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栄養コラム

特定保健用食品6 むし歯の原因になりにくい食品 歯の健康維持に役立つ食品

No.38

2006年9月21日

国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者(NR) 管理栄養士 杉田 恭子

特定保健用食品についてのご紹介、第6回目の今回は「むし歯の原因になりにくい食品」「歯の健康維持に役立つ食品」についてご紹介致します。
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むし歯とは?歯の健康とは?

むし歯の原因は
① 原因となる細菌(ミュータンス菌など) 
② 食べ物(砂糖などの糖分を含む食べ物・飲み物)
③ 歯の質(歯の強さ・唾液の力)toubunbaikin
の3つの要素が重なり、この3つが重なった状態の時間が長ければ長いほどむし歯になりやすくなってしまいます。

具体的にどのように進行するかというと…。
① 食べ物を食べる
② 食べ物の残りカスが口内に残ったままになる
③ 口の中の細菌(ミュータンス菌)が、残りカスの中の糖分を分解しながら一緒の塊になり、
  歯にくっついて歯垢(プラーク)を作る。
④ さらに歯垢の中に糖を取り込んで、細菌が糖分を分解し、酸を発生させる。
⑤ この酸に長時間さらされていると歯の表面が溶け始める。

このように、歯は酸にさらされることにより、溶け始めてしまいます。しかし、口腔内では唾液中のカルシウムやリンを沈着させて溶け出した歯を元に戻す働きがあります。
この働きを「再石灰化」といいます。
しかし、溶かされている時間が長いと再石灰化が間に合わず、むし歯になってしまいます。
むし歯の進行を止め、歯の健康を保つには、歯からのミネラル分の脱灰を抑制し、再石灰化が促進されるようにする必要があります。


むし歯の原因になりにくい食品とは?歯を丈夫で健康にする食品とは?

●むし歯の原因になりにくい食品とは、
・むし歯菌の栄養源になりにくい甘味料
・むし歯菌の増殖抑制作用のある成分
が含まれている食品です。

○商品例
・チョコレートtyoko
・飴
・ガム
・錠菓  など

○利用されている成分
・パラチノース
・マルチトール
・キシリトール
・エリスリトール
・茶ポリフェノール
(2006年9月21日現在)

●歯を丈夫健康にする食品とは、
・歯の脱灰を抑制する
・歯の再石灰化を促進する
働きのある食品です。

○商品例
・ガム など

○利用されている成分
・CPP-ACP(カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体
・リン酸-水素カルシウム
・フクロノリ抽出物(フノラン)
・リン酸オリゴ糖カルシウム
・キシリトール
(2006年9月21日現在)


注意点

○「むし歯にならない食品」「むし歯を治す」食品ではありません
あくまでも、むし歯の原因の一部を改善する食品ですので、毎日、たくさん食べたからといって、絶対にむし歯にならなかったり、むし歯が治ったりすることはありません。

○ガムや飴を食べる場合
一度に多量にとり過ぎたり、体質によってはおなかがゆるくなることがあります。

○糖分の多いものは控える
むし歯になりにくい食品をとっているからといって、糖分の多い甘いものをたくさん食べていると、やはりむし歯になりやすくなってしまいますので注意しましょう。carbo

その他

○フッ素も上手にとり入れましょう
特定保健用食品の機能成分としては認められていない「フッ素」ですが、歯の構造を安定させて丈夫にしたり、歯垢の中のむし歯菌の活性を阻害して酸を作らせないようにする働きがあります。フッ素は、歯医者さんで塗布してもらうこともできますし、フッ素が配合された歯磨き粉なども販売されています。
また、食品としては海産物(小魚や海藻類など)やお茶(緑茶や紅茶)にも多く含まれています。ただし、お茶は「葉」にフッ素が多く入っていますので、普段飲んでいる抽出液になるとフッ素量が減ってしまいます。粉茶などでお茶を丸ごと飲めるようにするとフッ素をとり入れやすくなります。

○よく噛んで食べましょう
食事をする際は、一口ごとによく噛んで食べるようにしましょう。よく噛むことで、唾液の分泌が促進されます。一口20回以上は咀嚼するように心がけてみましょう。

○歯磨きをしっかりと
むし歯の予防には、まず、歯磨きをしっかりして口の中に食べカスをhamigaki残さないようにすることが何よりも重要です。また、自分ではきちんと磨けていると思っていても、磨けていない部分があり、歯垢がたまってしまっていることもあります。定期的に歯医者さんに行って、むし歯のチェックと共に歯磨きの状態をチェックしてもらうと宜しいでしょう。