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栄養コラム

紫外線対策

No.90

2011年6月1日

管理栄養士 木村 愛

夏が近づいてくるにつれて、日差しが徐々に強くなってきましたね。夏に気になることと言えば、紫外線です。実は紫外線の降り注ぐ量は、6月夏至の頃がピークと言われています。
今月はこの紫外線について、対策やおすすめレシピをご紹介します。
shigaisen


紫外線とは…

紫外線とは太陽からの光の5%ほどの割合である光線で、英語で「Ultraviolet rays(ウルトラバイオレット-レイ)」と呼ばれています。Ultravioletとは「紫を超えた」という語から来ており、良く聞くUVという言葉はここから来ているものです。
また紫外線は、さらに波長の長さによってUVA、UVB、UVCの3種類に分けられます。
このうち、UVCと呼ばれる最も有害な紫外線は、ほとんどがオゾン層によって吸収されてしまうため、地球上には届きません。日焼けを起こす力は、UVBがUVAの約600~1,000倍と言われています。


紫外線は悪いもの?

紫外線を浴び続けることで体に現れる影響は様々あります。日焼けは体が紫外線による被害を防ごうとする防衛反応なのです。シミやシワなど紫外線による肌の老化を「光老化」といい、どれも私たちの老化をうながすものばかりです。
また、皮膚の老化には活性酸素も関わっています。紫外線を浴びると体内に活性酸素が発生し、皮膚を構成している細胞膜を酸化させてしまいます。ここに紫外線を吸収したメラニン色素が集合すると、シミをつくる原因となってしまうのです。
紫外線は肌への影響以外にも、白内障や皮膚がんを招く原因のひとつと考えられています。
しかし、紫外線は悪い影響だけではありません。実は紫外線にも利点があります。

●ビタミンDの生成
人は太陽の光を浴びると体内でビタミンD合成を促進します。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を強くするビタミンです。体内でのビタミンDの合成は日陰でも効果がありますので、適度な外出は必要です。

●殺菌効果sentaku
紫外線には殺菌作用があります。下着やまな板、ふきんなどを直射日光に当てて乾かしたほうがよいといわれるのはこのためです。食品や医薬品などさまざまな分野でこの紫外線の殺菌作用を利用し、衛生管理が行われています。これからの季節は特に注意が必要になりますので、お天気の良い日はなるべく外に出して乾かすようにしましょう。


紫外線対策

紫外線を防ぐために必要な対策は以下の2つがあります。

●肌をださないような服装
やはり紫外線を浴びないことが第一です。日傘や長袖の服、帽子、サングラスで紫外線をカットしましょう。

●日焼け止めクリームを使う
最近は様々な種類の日焼け止めの商品があります。選ぶ際には、SPFやPAといった表示を参考にしましょう。

・ SPF(Sun Protection Factor)
UVBに対する防止効果のこと。また後の数字は何もつけていないときと比べた防止効果の倍数です。 

・ PA(Protection of UVA)
UVAの防止効果。PA+(効果がある)、PA++(効果がかなりある)、PA+++(効果が非常にある)を表します。


紫外線予防のお勧め食品成分 

紫外線によって体内に増加する活性酸素対策として、抗酸化作用のある栄養や抗酸化作用が期待される有効成分などをしっかり摂るようにしょう。

●ビタミンC
コラーゲンの生成を助けると共に、しみの原因となるメラニンの生成を抑え、burokkori
メラニン色素を還元するという美白効果があります。
  【食材】ブロッコリー、赤ピーマン、キウイフルーツ、
      ネーブルオレンジ など

●ビタミンE
活性酸素の影響で細胞膜が酸化されるのを防ぐ効果があります。ビタミンChourensouと一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
  【食材】うなぎ、かぼちゃ、ほうれん草、アーモンド など

●β‐カロテン
β‐カロテンそのものにも強力な活性酸素抑制効果がありますが、体の中でninjin必要な分だけビタミンAとなります。ビタミンAには皮膚の免疫機能やバリア機能を維持する働きがあります。
  【食材】鶏レバー、うなぎ、にんじん、かぼちゃ、モロヘイヤ など

●ポリフェノール
ポリフェノールとは植物に多く含まれる色素や苦味の成分です。ほとんどがbudou
植物に存在し、その種類は300種類以上あり、野菜や果実などに多く含まれています。
紫外線によって増加する活性酸素を除去する抗酸化作用は、ビタミンCや
ビタミンEに負けないぐらい強力な作用があることが期待されています。
  【食材】ブルーベリー、ぶどう、緑茶、そば、しょうが、ココア、cocoa
      ターメリック(カレーに使用されているスパイス)など


おすすめレシピ

ビタミンC、ビタミンE、β‐カロテン、ポリフェノール全てがそろった紫外線対策におすすめのレシピをご紹介します。

●かぼちゃのカレー風味サラダ●
【材料】一人前
かぼちゃ        小1/8個 (約80g)kabocya
スライスアーモンド  ひとつまみ程度(約5g)
干しぶどう       少々

~調味料~
マヨネーズ   大さじ1/2 (7g)
カレー粉     小さじ1/6 (2g)
塩         少々
胡椒       少々

~付け合わせ~
ブロッコリー    30g

【作り方】
1.かぼちゃは皮付きのまま一口大に切り、ラップに包んで電子レンジで約2分加熱する。
2.ブロッコリーは食べやすい大きさに切り、ラップに包んで電子レンジで約1分加熱する。
3.スライスアーモンドはフライパンでからいりをする。
4.ボウルに1のかぼちゃと調味料を入れて混ぜ、3のアーモンド、干しぶどうを加える。
5.器に付け合わせのブロッコリーと共に盛り付ける。


☆付け合わせにブロッコリーを加えることで、ビタミンCとビタミンEがさらにアップします。
☆ポイントは野菜の準備に電子レンジを使うこと。加熱による野菜のうまみや栄養素の損失を
 最小限におさえることができます。またカレー粉によってポリフェノールが追加され、適度な
 辛味も加わり、味が引き締まります。

是非、紫外線対策の1品として試してみて下さい。