ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

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栄養コラム

お酒の適量を知ろう

No.83

2010年11月1日

管理栄養士 木村 愛

そろそろ年末に近づいてきましたが、飲み会でお酒を飲む機会も多くなってくる時期ですね。

よくお酒は適度に飲みましょうと言いますが、その量は人によって解釈もさまざまだと

思います。今月は、お酒の適量についてお話します。
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お酒の適量ってどのくらい?

「アルコールの適量」とは、アルコールの分解能力や、人それぞれに感じる適量など個人差がありますが、適量の考え方は2つあります。

① 血中アルコール濃度
健康づくりの指針「健康日本21」では「節度ある適度な飲酒」を適量としております。
血流がよくなり、陽気になる“ほろ酔い状態”の血中アルコール濃度0.1%を目安としています。
これ以上血中アルコール濃度が高くなると、ふらついたり、吐き気をもよおしたりと酩酊状態に陥ってしまいます。そのため、血中濃度を0.1%までに抑える分量を「適量」としています。
目安は純アルコールで約20g程度。ビール中瓶1本(500ml)に含まれるアルコールの量が約2g
となります。
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② 肝臓のアルコール処理時間
体の大きさや体質などが影響していますが、目安として体重1kgにつき1時間で純アルコール約0.1gとされています。例えば50kgの人で1時間あたりの処理は純アルコール5g分。
つまりビール中瓶1本分を処理するのに約4時間かかるという計算になります。
この考え方から晩酌は3,4時間程度で処理できるアルコール量が「適量」とされています。
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自分にあった適量を知ろう

楽しくほろ酔い気分になれる純アルコール量20gを「1単位」とし、健康な人は「1日1~2単位まで」といわれています。

~アルコール1単位の目安~

 ビール日本酒焼酎ウイスキーワイン
アルコール度数515254314
中びん1本
(500ml)
1合
(180ml)
0.6合
(約110ml)
ダブル1杯
(60ml)
1/4本
(約180ml)

※ アルコール度数の高いお酒は、ストレートより水割りや炭酸割りなど薄めて飲むのが
おすすめです。

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また、純アルコールとして1日平均60gを超えて飲酒することを多量飲酒といい、
これを続けると臓器障害やアルコール依存症など、さまざまな問題につながる危険性があります。
普段どの程度のアルコール量を飲んでいるのか確認をしてみましょう。

 純アルコール量=お酒の量(ml)×(アルコール度数(%)÷100)×0.8

 例)ビール中びん1本と日本酒2合飲む場合 
     [ 500×(5÷100)×0.8 ] + [ 360×(15÷100)×0.8 ] =20+43=63g 

この例ですと多量飲酒となりますので要注意です。
飲む機会が多い場合は肝臓を休ませてあげることもお忘れなく。

※医師から指導を受けている方や、アルコール制限の必要な方など、この適量が該当しない方もいらっしゃいますのでご注意下さい。


話題のビール

最近では、ノンアルコール、カロリーゼロ、糖質ゼロなど様々な種類のお酒があります。
では、カロリーが気になる方に一つ問題です。

*カロリーが低いのはどちらでしょう?

① 糖質ゼロの発泡酒

② カロリーゼロの発泡酒

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正解は…②番のカロリーゼロの発泡酒です。

1缶あたり糖質ゼロの発泡酒は約67kcal、カロリーゼロの発泡酒は0kcalです。 

「糖質ゼロ」と表示されていても、カロリーは「ゼロ」ではないので間違えないようにしましょう。
また同様に「カロリーゼロ」のビールも、健康増進法に基づく栄養表示基準では
「エネルギー5kcal未満(100ml当たり)をカロリーゼロと表示」とされているので、
正確にいうと多少のカロリーはあります。
ただ、「カロリーゼロ」のビールはノンアルコールですので、カロリーが気になる方や休肝日などに上手く活用することできます。

様々な種類のお酒があるなかで、その特徴をよく見極めて、上手にお酒と付き合いましょう。