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栄養コラム

熱中症予防

No.92

2011年8月1日

管理栄養士 木村 愛

毎日、暑い日が続いていますね。食欲もなく十分な睡眠が取れていないという方もいらっしゃるかと思います。
そんなとき注意しなければならないのが、熱中症です。
今月は、熱中症予防対策をご紹介します。
kaisuiyoku


熱中症とは…

日射病や熱射病などの総称で、体温を調整する機能がコントロールを失い、体温がグングン上昇してしまう機能障害を熱中症といいます。体温調節機能が未発達な「幼児・小児」、また体温調節機能が衰えてくる「65歳以上の高齢者」は熱中症となるリスクが高いとされます。
主な症状は以下の通りです。

 軽度症状 : 顔色が悪くなる、立ちくらみ、こむら返り、汗がとまらない ikigire
 中度症状 : だるさ、頭痛、失神、吐き気、血圧の低下
 重度症状 : 高熱(38度以上)、けいれん、意識を失う


しかし、熱中症は必ずしも夏の炎天下で起きるわけではなく、夏に室内で静かに過ごしていても起こる可能性があるので注意が必要です。
また、激しいスポーツや重労働をされている方は、季節を問わず、
いつでも起こる可能性があります。


熱中症対策

熱中症対策のために、まずは熱中症が発症しやすい環境を知ることが大切です。

・前日より急に温度があがった日
・湿度が高い日(温度が低くても多湿であれば起こりやすい)
・室内作業をしている人が、急に外に出て作業した場合
・統計的に発症件数が多い時間帯:午前中では10時頃、午後では13時~14時頃


上記の環境を注意し、まずは暑さを避けることが熱中症対策のポイントになります。

●日陰を歩く
直射日光に当たらない涼しい日陰を選んで歩きましょう。

●ブラインドなどで日差しを防ぐ
ブラインドや緑のカーテン(アサガオ、ゴーヤなど)を窓につけることで、直射日光を和らげるだけでなく、窓を開けて空気循環をさせる効果もあります。

●打ち水をする
打ち水は朝夕の時間帯に、玄関先やベランダの日陰に水を撒くのが効果的。昼間に打ち水をしてしまうと湿度が上がってしまうので、朝と夕方がおすすめです。

●日傘、帽子をかぶる
頭の一部分などが熱くなっただけでも、体温調節中枢は全身に汗を出す指令を出すので、直射日光から頭を守りましょう。帽子であれば、吸湿性や通気性のよい素材がおすすめです。

●扇風機やエアコンを使う
湿度をさげるために、適度にエアコンを使うことも必要です。エアコンの設定温度は28℃がおすすめです。外気温と室温の差が大きくなると体の負担になるため、扇風機を組み合わせて上手に調節しましょう。


水分をしっかり摂ろう

「喉が乾いたな」と思ったときには、既に体は脱水をしてきています。
暑い時期は普段よりも汗をかくことで水分が失われますから、意識してこま
めに水分を補いましょう。また大量に汗をかいた時は、水分だけでなく発汗waterによって失った塩分を補給することが重要です。

○1日に必要な水分量:2リットル
○塩分濃度の目安:水分の0.1~0.2% (水1リットルに対して、食塩1~2g)

いっきに沢山の水を摂るのではなく、こまめにコップ1杯分程度の水を1日数回にわけて飲むようにしましょう。

また、アルコールは水分補給にはなりません。アルコールは尿の量を増やして体内の水分排泄を促すため、一旦吸収された水分も、その後にそれ以上の水分が尿として排泄されてしまいます。
アルコールを飲んだ後は、特に水分をこまめに摂るよう心がけましょう。


夏バテ・熱中症予防のための栄養素

疲労回復に効果があるビタミンB1やクエン酸を積極的に摂るよう心がけましょう。

●ビタミンB1
糖質からエネルギーがつくられるときに必要な成分です。そのため、疲労buta回復や夏バテ解消に効果的です。ビタミンB1が不足することにより食欲不振を招くこともあります。
 【食材】豚肉、うなぎ、大豆、玄米ごはんなど

●クエン酸
クエン酸は人の体内にも存在する有機酸の一種で、ブドウ糖をlemon無駄なくエネルギーに転換するために重要な成分です。そのためエネルギー補給に欠かせない成分であり、疲労回復やスタミナ維持に欠かせません。また、吸収しにくいミネラルと結びついて吸収しやすくする働きもあります。
 【食材】かんきつ類、酢、梅干しなど


おすすめレシピ

熱中症予防のためのおすすめレシピをご紹介します。

●豚肉と野菜の具だくさん酢ープ●

【材料】1人分
・豚肉     約60g(お好みの部位を使って下さい) soup
・じゃがいも  1/2個(50g)
・パプリカ   1/4個(40g)
・ミニトマト  3個(45g)

~調味料~
・水      カップ1/2(100cc)
・塩      小さじ1/4(1.5g) 
・胡椒     少々
・サラダ油   小さじ1(4g)
・バター    大さじ1/4(3g)
・酢      大さじ1/2(7.5g)

【作り方】
1.豚肉は一口大に切り、塩、胡椒を少々ふり、下味をつける。
2.じゃがいも、パプリカは一口大に切り、ミニトマトはへたをとる。
3.鍋にサラダ油をひき、1の豚肉を炒める。焼き色がついたら、一旦取り出す。
4.2の食材を入れて炒める。
5.4に水と塩を加え、3の豚肉を戻して煮る。
6.バターをいれてさっと煮たら、酢を加えて火を止める。
  ※お好みで黒胡椒をふるのもおすすめです!!

【ポイント】
酢を加えることにより、さっぱりとして食べやすくなり、水分、塩分も一緒に摂ることができるので一石二鳥です。
野菜はアスパラガス、ズッキーニなどもおすすめです。
少し多めに作って余ったスープは冷やして召し上がって頂くこともできるのでおすすめです。

是非、熱中症予防の一品として試してみて下さい。