夏野菜の代表格として親しまれているオクラ。実は英語でも「okra(オクラ)」と呼ばれています。オクラはさっとゆでるだけで色々なものに使え、暑い時期の体を支えてくれる優秀な緑黄色野菜です。ぜひ毎日の献立に取り入れてください。
オクラの歴史
原産地はアフリカで、オクラが日本に伝わった時期には諸説ありますが、最も古い情報だと江戸時代に伝来したとされています。しかし、当時の日本人には受け入れられず、広く普及することはありませんでした。その後、戦後になると少しずつ東南アジアなどから輸入されるようになり、昭和半ばごろから本格的に栽培されるようになり、現在では、夏を代表する野菜のひとつとして親しまれています。
国内で流通しているオクラは国産がメインです。日本では温暖な気候を活かした九州・四国地方を中心に栽培されており、特に鹿児島県は全国トップの生産量を誇り、全国シェアの40~50%を占めています。
オクラはどうやって育つの?
オクラは、どのように実るかご存じですか。
オクラは花が咲いたあと、がくの部分から実が伸び始めます。そして、空に向かってぐんぐんと上向きに成長するのが特徴です。ナスやキュウリのようにぶら下がる野菜とは違い、上を向いて育つ姿は少し珍しいかもしれません。
また、オクラの花は淡いクリーム色や薄い黄色をしていて、とても美しい花を咲かせます。

実はいろいろある!オクラの種類
普段よく見かけるオクラ以外にも、さまざまな種類があります。
五角オクラ
スーパーで最もよく見かける一般的なオクラです。断面は星形で、ほどよい粘りとシャキッとした食感が特徴です。クセが少なく、おひたしや和え物、炒め物、天ぷらなど幅広い料理に使えます。
丸オクラ
角がなく、名前のとおり丸みのある形をしています。五角オクラよりもやわらかく、粘りが強めです。サイズも一般的なオクラと比べると約2倍ほどの大きさがあります。筋っぽくなりにくいため、大きめに育っても食べやすく、生食やサラダにも向いています。
白オクラ
淡い黄緑色から白っぽい色をした珍しい品種です。五角オクラよりも粘りがやや強く、やわらかな食感が特徴です。生食に適していることから、「サラダオクラ」とも呼ばれています。サラダやおひたしなど色を生かす料理にもおすすめです。
赤オクラ
鮮やかな赤紫色が目を引く品種です。粘りや食感は五角オクラとほぼ同じですが、加熱すると赤い色が抜けて緑色に変わります。そのため、美しい色を楽しみたい場合は、サラダや浅漬けなど生食がおすすめです。
花オクラ
一般的なオクラとは異なり、実ではなく大きな花を食べる品種です。花びらはやわらかく、ほんのり粘りがあります。クセのない淡泊な味わいで、おひたしや酢の物、サラダなどで花の美しさと食感を楽しめます。

オクラのねばねばの正体
オクラの特徴といえば、やはり「ねばねば」です。
このねばねば成分のひとつが、水溶性食物繊維の「ペクチン」です。ペクチンには、糖の吸収をゆるやかにして食後の血糖値の急上昇を抑える働きや、腸内環境を整える等の整腸作用やコレステロール改善などの健康効果が期待されています。
食欲が落ちやすい暑い季節でも食べやすく、栄養補給にぴったりの野菜です。
栄養的特長
オクラには、食物繊維が豊富に含まれており、さらにビタミンB1や葉酸などの栄養素も摂ることができます。
食物繊維
オクラには他の野菜よりも食物繊維が多く含まれています。
1食分あたりで比較すると、オクラ3本に含まれる食物繊維は1.5gです。これは、
キャベツ葉1枚、キュウリ1/2本よりも上回っています。

さらに、食物繊維が豊富なイメージの海藻の「わかめ」(酢の物小鉢1つ分)と比較しても、
わかめの小鉢1つ分よりもオクラの方が約1.5倍の食物繊維が含まれています。オクラは手軽な量でも食物繊維が摂取しやすい食材といえます。

ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える際に欠かせない栄養素です。
食物繊維で比較したキャベツ、きゅうり、オクラで比べても、オクラのビタミンB1量が多くなります。
夏は暑さで食欲が落ち、喉ごしの良いそうめんや冷やしうどんなど、糖質中心の食事に
なりやすいため、意識して合わせて摂りたい栄養素の一つです。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成を助けるほか、血管の健康維持にも関わる栄養素です。葉酸が不足すると、動脈硬化のリスクを高める要因の一つである「ホモシステイン」が増えることが知られています。
また、葉酸は加熱によって減少しやすい栄養素ですが、オクラは「生」と「ゆで」で葉酸量が
ほとんど変わりません。生ではブロッコリーやほうれん草より葉酸量は少ないものの、ゆで調理後はほぼ同量になります。オクラは加熱による葉酸の減少が少ないため、おひたしや和え物、味噌汁などでも手軽に葉酸を補いやすい野菜といえます。

新鮮なオクラを選ぶポイント
美味しいオクラを食べるには、鮮度の良いものを選ぶことも大切です。
鮮度のよいオクラほど柔らかくて食感もよく、風味や粘りを楽しめます。
・鮮やかな緑色をしている
・うぶ毛(とげ)がしっかり残っている
・みずみずしくハリがある
・大きすぎず、やわらかそうなもの
簡単な下処理の方法
オクラはひと手間かけて下処理をすると、口当たりがよくなり、よりおいしく食べられます。
特に表面のうぶ毛やがくの硬い部分を取り除くことで、食感がなめらかになります。
1. オクラをネットに入れたまま、流水で軽く洗い流します。
2.ネットの上から塩をふり、手で優しくゴロゴロと転がします。(板ずり)
3.うぶ毛が取れたら、流水で塩を洗い流します。
4.がくの硬い部分を包丁でくるりと薄くむきます。
おすすめレシピ
オクラを茹でずに生のまま使え、詰めて焼くだけの簡単な時短レシピです。甘辛いたれがしっかり絡み、ごはんのおかずやお酒のおつまみ、また冷めても味が落ちないのでお弁当のおかずにもなります。噛み応えのあるちくわと合わせることで、満足感のある一品に仕上がります。あともう一品ほしいときや、おくら料理のレパートリーを増やしたいときにもおすすめのレシピです。
おくらのちくわ焼き
【材料(2人分)】
・オクラ…4本
・ちくわ…4本
・片栗粉…小さじ1
・サラダ油…小さじ1
・白ごま…適量
○甘辛だれ
・しょうゆ…小さじ1/2
・みりん…小さじ1
・酒…小さじ1
【作り方】
1.オクラはヘタを切り落とし、ガクを取り、塩(分量外)をまぶして板ずりし、水で洗って水気を拭きます。
2.おくらの細い方から、ちくわに詰めます。
3.2のちくわを2等分に切り、全体に片栗粉をまぶします。
4.フライパンにサラダ油を熱し、中火で転がしながら焼き色がつくまで焼きます。
5.焼き色が付いたら、水(分量外・大さじ1~2杯程度)を加えてふたをし、
約3分蒸し焼きにします。
6.【甘辛だれ】を加えて全体に絡め、水分を飛ばします。
7.白ごまをかけて完成です。
◎アレンジとポイント
・3の片栗粉をまぶす作業は、片栗粉をポリ袋にいれ、袋の中で混ぜると簡単にまぶせます。
・お好みでマヨネーズ、おろし生姜、ピリ辛好きな人は七味唐辛子をかけてもよく合います。
・甘辛だれを梅おろしに変えるとさっぱり味になります。
・余ったオクラは、電子レンジで約3分加熱してお浸しなどにアレンジしてもGood!


