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栄養コラム

コーヒー

No.215

2021年11月1日

管理栄養士 板橋彩子

11月に入って気温が下がり、温かい飲み物を飲む機会が増えましたね。
今月はコーヒーについてご紹介したいと思います。朝の目覚ましに、水分補給に、気分転換に
といった、生活の様々な場面でコーヒーを飲んでいるという方は多いのではないでしょうか。
最近では、健康との関連についても注目が高まっているコーヒーについて改めて見てみましょう。


日本でのコーヒーの普及と摂取量

日本にコーヒーが入ってきたのは、江戸時代で、長崎の出島にオランダ人の商人が持ち込んだという説が有力と言われています。江戸時代にはあまり普及しなかったようですが、明治時代に
なると、文明開化の時代の流れと共に西洋料理を出す店が誕生し、次第にコーヒーもメニューに加えられるようになりました。さらに、明治の中ごろにはコーヒーを提供する喫茶店が開店され、文化人や芸術家、ハイカラな人の中で広まり、その後徐々に一般市民にも広く普及し、今ではすっかり馴染みの飲み物となりました。一般社団法人全日本コーヒー協会(*)で報告されている、世界の1人あたりのコーヒー消費量によると、日本は2014年以降、世界で第5位となっています。(*https://coffee.ajca.or.jp/)

一般社団法人 全日本コーヒー協会 調査データ「世界の1人あたりのコーヒー消費量より)


コーヒーの成分と効果

コーヒーが健康に良いと言われている由縁はその成分です。主な成分とその効果について紹介します。

(1)ポリフェノール

コーヒーに豊富に含まれている成分の1つは、ポリフェノールです。ポリフェノールは、植物が作り出す物質で8000種類以上あると言われており、赤ワインのアントシアニン、緑茶のカテキンなどもポリフェノールの一種です。コーヒーに含まれるのは、主にクロロゲン酸類と呼ばれるポリフェノールで、コーヒーの苦味や褐色のもとになっています。

ポリフェノールは、以前赤ワインで注目を集めました。フランス人は油の多い料理を良く食べているにも関わらず、心疾患での死亡率が低いことが分かり、フランス人が良く飲む赤ワインに
含まれるポリフェノールの抗酸化作用が注目されました。そんな赤ワインに匹敵する量のポリ
フェノールがコーヒーには含まれています。     (Fukushima Y et al., J Agric Food Chem 2009; 57: 1253-59より)

<ポリフェノールの効果>
ケガや病気によって体が炎症反応を起こしたり、紫外線やタバコなどによる刺激を受りすると、人の体内では活性酸素が発生しますが、この活性酸素は体の細胞や組織、遺伝子などを傷つけ、がんの一因となったり動脈硬化や心筋梗塞の引き金となります。ポリフェノールには、抗酸化作用があり、それら活性酸素の発生や働きを抑える効果があると言われています。
日本人で、1日にほとんどコーヒーを飲まない人とコーヒーを飲む人を比較した研究では、1日にコーヒーを飲む量が多い人ほど、日本人の死因上位である心疾患、脳血管疾患による死亡リスクが低下したという結果が出ており、ポリフェノールの抗酸化作用が関連している可能性が考えられています。
(参考:国立がん研究センター   コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html)

(2)カフェイン

コーヒーに含まれる成分として非常によく知られている成分です。カフェインを含む飲み物
として、コーヒー以外にはお茶や紅茶、ココア等があります。玉露が最もカフェイン含有量が
多く、コーヒーは玉露の次に多くカフェインを含んでいます。          (日本食品標準成分表2020年版(八訂)より)

<カフェインの効果>
カフェインで良く知られる作用は覚醒作用です。眠気覚ましとなったり、頭をスッキリさせて
集中力を高める効果があります。1日の始まりである朝にコーヒーを飲むのは、この覚醒作用の
効果を期待していることが多いのではないかと思います。
また、利尿作用により、体の老廃物の排出を促す働きも広く知られていますが、他にも注意力の向上や、交感神経を刺激して脂肪を燃焼させる効果、運動能力の向上など、様々な効果が明らかになっています。
カフェインは、摂取後約30分で血中濃度がピークに達すると言われていますので、これらカフェインの効果が必要な場面で発揮されるよう、コーヒーを飲むタイミングを考えてみるのも良いかも知れません。


コーヒーを飲むときに意識したいこと

日常的な飲み物として定着しているコーヒーですが、体への影響を減らすために、飲むときに
意識したいこともありますので、ご紹介していきます。

(1)飲み方によるカロリーの違い

一口にコーヒーと言っても、砂糖入りのものや、牛乳も入れてカフェオレにしたものなど、コーヒーの飲み方は人によって様々です。お好みの飲み方で飲むのは良いことですが、砂糖や牛乳を入れた場合は、カロリーも上がっています。飲み物だとカロリーについて油断してしまいがちですが、以下のグラフで示したように、コーヒーの飲み方によりカロリーは大きく変わり、食事以外のところで、摂取カロリーを少しずつ増やしてしまいます。中でも缶コーヒーやペットボトルのコーヒー乳飲料は、外出中でも手に取りやすいという手軽さから、知らず知らずのうちに飲む機会がえている可能性がありますので、頻度が高くなり過ぎないよう意識しましょう。         (日本食品標準成分表2020年版(八訂)より算出)

(2)安全なカフェイン摂取

カフェインは、摂り過ぎるとめまい、興奮、不眠、吐き気、下痢など体の不調につながる場合があります。カフェインの感受性には、個人差がありますが、食品安全委員会が公開している海外機関のカフェインのリスク評価では、健康な成人の健康に悪影響のないカフェインの最大摂取量は400mg/日とされていますので、目安にすると良いでしょう。カップの大きさやコーヒーの種類で摂取するカフェインの量は変わりますが、コーヒーカップであれば3~4杯、マグカップであれば、2~3杯以内にするのがおすすめです。

(3)睡眠への影響

カフェインの影響は個人差があるものの、入眠までの時間が長くなる、眠りが浅くなるなど、
睡眠に影響することが明らかになっていますので、質の良い睡眠を確保したいときは、就寝時間にカフェインが体に残らないよう、コーヒーを飲むタイミングを意識するようにしましょう。
カフェインは摂取後、血中濃度が半減するまでに約4時間もの時間がかかると言われており、
これだけの時間が経っても、まだ半分近くは体内にカフェインが残っていることになります。
睡眠への影響を減らすには、コーヒーは寝る前だけでなく、夕食後や可能であれば夕方以降からは飲まない
ようにすると良さそうです。
最近は、カフェインレス、カフェインフリー、デカフェといったカフェインを控えたコーヒーもありますので、就寝前に飲みたい時は、利用するのも良いでしょう。


おすすめレシピ

豆乳でさっぱりと食べられる、豆乳コーヒープリンをご紹介します。
ホットコーヒー1杯あたり(約150ml)に使用するコーヒー粉量は約10-12gですが、このコーヒープリンのコーヒー粉量は4gです。コーヒー粉量が1/3程で済むため、カフェインの量を抑えることができ、15時のおやつの時間に食べれば、夜の睡眠にも影響しにくいです。手軽に作れますので、是非お試しください。

●豆乳コーヒープリン
【材料・分量(直径7.5cm×7.5cmの容器5個分)】
・レギュラーコーヒー   大さじ4(20g)
・お湯          250ml
・コーヒー+豆乳     350ml
・卵           2個
・グラニュー糖      30g
(※甘いのが好きな方は量を増やしてください)
・バニラエッセンス    2~3滴 

【作り方】
1.上記の分量でコーヒーを250ml入れます
2.コーヒーが熱いうちにグラニュー糖を加え、全て溶けたら豆乳を加え、全体量が350mlに
  なるよう調整します
3.ボウルに卵を溶き、2の豆乳コーヒーを加えて混ぜ合わせます
4.ストレーナー(濾し器)で3を濾し、バニラエッセンスを加えます
5.容器の7~8分目程度まで4の液を流し入れ、冷蔵庫で30分程度寝かせます
6.蒸し器のお湯が沸騰したら弱火~中火にして15~20分蒸します
7.容器を軽く揺らし、表面が液状になっていないことを確認し取り出します
  ※様子を見ながら、適宜蒸す時間を追加してください
8.粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして完成です
  ※お好みでホイップクリームをのせて食べるのもおすすめです