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栄養コラム

温活をはじめよう

No.202

2020年10月1日

管理栄養士 田中希歩

10月になりさわやかな秋晴れの季節となりました。10月は24節気では「寒露」「霜降」の季節といわれ、朝晩だけでなく昼間の空気が冷たく感じられるようになり、風邪をひきやすくなる時期でもあります。今回は冷えやすい体を温める「温活」についてご紹介します。


体温が下がると・・・

私たちの体温の平均は36.89±0.34℃だとされており、体温が下がり体が冷えると私たちの体には様々な影響があります。例えば、体温が1℃下がると免疫力が30%低下するともいわれ、病気にかかりやすくなります。代謝を悪くすることにも繋がり、太りやすく痩せにくい体質になったり、老廃物が溜まり肌あれの原因にも。さらに体が冷えることで血管が収縮すると、血流が悪くなり、肩こり・腰痛などの筋肉の痛みや頭痛などを引き起こす原因にもなります。

体を冷やす生活習慣

①朝食欠食
1日の体温リズムは、朝食摂取後に上昇し始めて昼間に最高値となります。しかし、朝食欠食の場合では、朝の通勤や通学の歩行や家事などによる筋運動から得られる熱で一時的に体温は上昇するものの、その体温を維持するエネルギーや栄養素が不足しているため体温維持することが難しく、昼食後に最高値に達していることが分かります。

(鈴木正成『実践的スポーツ栄養学』より)

②極端なダイエット
ある食品だけなど、食べる種類が極端に少ないダイエット方法や、食事量を必要以上に減らすダイエット方法は、エネルギー不足や代謝にかかわる栄養素の不足に繋がり、代謝を悪くする原因となります。

③甘いものの摂りすぎ
糖分の摂りすぎは血液中の糖や脂肪を増やし、血液の流れが悪くなるため、冷えに繋がります。

④喫煙
たばこに含まれるニコチンには血管収縮作用があり、血液の流れを悪くし、体を冷やします。特に喫煙直後は血管収縮作用が強く働くため、喫煙習慣がある人は体調の為に一度見直しを行いましょう。


体温を上げるメリット

免疫力の要となる白血球の活動は体温と深い関係があり、1℃の上昇で体の回復力が高まり免疫力は5~6倍上がるといわれています。消化や代謝機能など、生命活動に欠かせない体内酵素の活性化にも体温の上昇が関係しており、体温を適度に上げて体の冷えを取ることは、健康を維持するためにも必要だと言えます。

体を温める「温活」のコツ

私たちの体温は筋運動と代謝によって熱が産生され、その熱を血液が全身に運ぶことで保たれています。そのため体温を上げるためには、血流の多い部位と筋肉が多い部位を重点的に温めることがポイントになります。それに加えて体の内部(内臓)から温めることも大切なので、体を温める働きをもつ食べ物を上手に取り入れましょう。

①血流の多い部位を温める
血流の多い部位、筋肉の多い部位、特にお腹を重点的に温めましょう。体の中心であるお腹が冷えるとその部分を温めるために手足の末端から血液が集まり、手足などが冷えやすくなってしまいます。

②体を温める食品を食べる
東洋医学では体を冷やす食品と温める食品があると考えられています。温活には体を冷やす食品がよくないということではなく、食べる際に少しの工夫を行いましょう。体を温める食品と組み合わせて食べたり、温かい飲み物と一緒に摂る、加熱調理をするなどや、一度にたくさん摂りすぎないことがおすすめです。

〈体を冷やす食品〉
果物(メロン・パインなど)、夏野菜(トマト・きゅうり・ナスなど)、牛乳、砂糖、ビール、
アイスクリーム 等

〈体を温める食品〉
魚類、赤身の肉(鶏・牛など)、根菜(人参・たまねぎ、・ごぼうなど)、生姜、にんにく、
赤ワイン 等

③ぬるめのお湯で入浴
40℃を目安に設定し、ぬるめのお湯で20~30分ほど浸かりましょう。体を冷やす原因となる体内の余分な水分を入浴中の汗とともに排出できます。また、体が温まると副交感神経の働きが優位になるため体がリラックスした状態になり、血管が拡張されて血液の循環を良くするなどの効果が得られます。

④身体を動かす機会を増やす
身体を動かさないでいると、筋肉を使う機会が減って熱の産生が少なくなったり、筋肉がこわばり血流が悪くなるため、体を冷やすことに繋がります。筋肉をほぐして血行を促すことも温活には重要です。休憩時間などのちょっとした時間を使い、マッサージや運動をしてこまめに動かしましょう。

〈マッサージの例〉図の赤い箇所をマッサージしてみましょう

血液循環をスムーズにする冷え・生理痛など血流改善・頭痛肩こりの改善
手の甲を上に向けた状態で手の付け根部分を触るとある、くぼみを反対の手の親指で5~7秒間押す動作を15~20回繰り返す。足の内くるぶしから指4本分上の部分を、親指で5秒間程強く押して離す、という動作を10~20回繰り返す。後頭部の髪の生え際あたり、背骨から指2関節分横にずれた部分を、両手の人差し指と中指で左右同時に3秒押して離す動作を2分ほど繰り返す。

おすすめレシピ

体を温める食べ物として紹介した「鶏肉」「生姜」を使ってアレンジした、これからの季節にオススメのほっと温まるスープ「酸辣湯」をご紹介します。

【材料】 (2人分) 
・鶏ひき肉        50g
・長ねぎ         1/3本
・人参          1/4本
・ニラ          3~4本
・卵           1個
・水           400ml(2カップ)  ・・・(a)
・中華だし        大さじ1
・生姜          1かけ(チューブのものだと3㎝程)
・酢           大さじ2
・塩コショウ       少々
・ラー油         少々
・片栗粉         大さじ1
・水           大さじ2       ・・・(b)
・ごま油         小さじ1

【作り方】
①長ねぎは食べやすい大きさに斜め切りにし、人参は細切りにする。
②ニラは3㎝程度の長さに切る
③卵はボウルに割り入れ、溶いておく
④生姜はすりおろす、あるいはみじん切りにする
⑤(b)の水と片栗粉を混ぜ合わせておく
⑥鍋にゴマ油を入れて④を少し炒め、鶏ひき肉と①を加えて炒める
⑦⑥の鍋に②と(a)の水、中華だしの素を加えて煮込む
⑧野菜に火が通り煮立ってきたら一度火を止め、⑤を加える
⑨再び弱火で火をつけて③を加え、ゆっくりと箸でかき混ぜる
⑩塩コショウで味を調え、酢・ラー油を加える

【ポイント】
ラー油は唐辛子の成分が入っており、身体を温める作用がありますが、辛いので量はお好みで調整してください。長ネギ・人参の他に大根や白菜などに代用してもおいしく食べられます。しめじやしいたけなどのきのこ類をプラスしてかさを増やすと、具がたっぷりでおかずとしての1品にもなります。